アッレグリにユベンティーノたちは大反発。

　アズーリ次期監督の有力候補だったアッレグリは、ユベントス史上45人目の監督の座に納まった。彼の抱負は明快だ。

「われわれはスクデットの有力候補であり、CLでも効果的な補強次第で勝ち上がれると思っている。ユーベは欧州トップ8のクラブであるべきだ」

　昨季までのCLにおいて、ミランを率いたアッレグリは4シーズン連続決勝トーナメント進出という、優れた采配手腕を見せた。欧州広しといえど、同じ時期に同様の成績を残した指導者は、ベンゲル(アーセナル)とモウリーニョ(R・マドリー/チェルシー)だけだ。

　イタリア国内では'10-'11年にスクデットを獲り、翌シーズンに就任1年目のコンテ率いるユベントスと熾烈なスクデットレースを繰り広げた。以来、舌鋒鋭くユーベを批判してきたため、アッレグリ招聘の可能性が高まると、ユベンティーノたちから猛反発が起きた。

　コンテ辞任の直後から「＃NoAllegri」というハッシュタグがイタリア中のツイッター上に拡散され、16日にはアッレグリのビノーボ練習場初訪問に数百人のウルトラスが集まり、新監督と幹部の乗った車を取り囲んで抗議を行なった。

　ヤサ男然とした見かけとは裏腹に、肝の据わったアッレグリは、新天地の拒否反応にも動じることはなかった。サポーターの支持は、結果を出せばついてくる。

ミラン時代に追い出した司令塔ピルロとの確執。

　新監督アッレグリがまず解決すべき難題は、前任者が作り上げた個性派揃いの常勝チームを掌握することだ。

　3年前に自身がミランから追い出した司令塔ピルロとの確執を知らぬ者はいないが、ユーベ再興の立役者との関係改善はクラブ命令に等しい。

「過去と今日では状況がちがう。ピルロのポジションは、(これまで通り)守備前方の中央だ。議論するまでもない」

　賢明なアッレグリは、上層部の意向に沿ってピルロ中心のチーム作りをすることを認めた。戦術運用については、前任者コンテが鍛え上げた「3-5-2」を当面踏襲する。

　MFマルキージオのトップ下起用プランと4バック導入を焦る必要はない。新戦力として期待のかかる若手FWモラタとベテランDFエブラについては、彼らの適応度を見ながら、新たな型へ徐々に組み込んでいけばいい。

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