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63%の支配率と、五分五分の決定機。
8強のドイツが晒した「大きな課題」。 

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了戒美子

了戒美子Yoshiko Ryokai

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posted2014/07/01 16:30

63%の支配率と、五分五分の決定機。8強のドイツが晒した「大きな課題」。<Number Web> photograph by Getty Images

延長前半2分、アルジェリアとの死闘を一歩抜け出すゴールを決めたシュールレ。満身創痍のドイツを救う一発だった。

終了間際の1点でスタジアムは感動的な空気に。

 これまでブンデスリーガで対戦した事のある日本人選手も、彼の技術を軒並み絶賛してきた。例えば内田篤人は「フンメルスは強いだけでなく、パスがうまい」と言いリーグで最も印象的な選手に挙げている。酒井高徳も「強いだけじゃなくて、パスも、上がってからのドリブルも、それに実はシュートもうまい」と手放しだ。フンメルスがいれば、ドイツは120分の戦いを強いられることもなかったかもしれない。

 試合が決着したのは、延長に入ってから。延長前半2分にミュラーの左クロスをシュールレが左足であわせたシュートで1-0とし、120分にはこの日見せ場のなかったエジルが、シュールレのシュートのこぼれ球を押し込んで2-0とした。

 だが、ドイツベンチでもスタッフ同士が握手し、試合が終わったと思われた延長後半のロスタイム。アルジェリアのフェグーリのシュート性のクロスにジャブが合わせて一矢報いたのだ。そのまま試合は終了し、スタジアムは感動的な空気に包まれた。

「全ての選手が限界を越えて戦った。こういう大会では、こういう試合を乗り越えなくてはならない」とレーブは選手を称えた。

 死闘は乗り越えた。だがチームが大きな課題を露呈したのも事実。フランスとの準々決勝、乗り越えなくてはいけない壁はまだまだありそうだ。

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