警戒するより「怖さを見せる」こと。

　以前のインタビューで「うまくいかなかったときは、本当にいろいろと考える。良くなかった点を洗い出し、そこから、なんとかポジティブな方向へ思考を切り替える」と話していた岡崎。多少強引であっても、前向きな答えが、自身の背中を押してくれると信じている。

「ある意味、今までよりも自分たちのサッカーをやりきる覚悟ができた。自分たちは攻め抜いて結果を取りに行くしかないと。むしろ、敗れたことが良かったと思えるようにしたい。

　たとえ自陣に引く時間があったとしても、押し返すぞというのが出ればそこがチームとしての成長。どんな状況になっても折れずに、自分たちから仕掛けていく。攻撃でも守備でも。そういう姿を見せれば、良い結果が出ると思う」

　堅守速攻と言われるギリシャだが、サイド攻撃にも定評がある。コートジボワール戦では、内田篤人とうまい連携をとりながら守っていた岡崎だが、崩されなかったと同時に、相手の守備陣を崩すことができなかったのも事実だ。

「やっぱり、下がりすぎるのは良くない。俺らはコートジボワール戦で相手のサイドを必要以上に警戒してしまった。じゃあ、相手は俺らのことを警戒していたかと言ったら、そんなに警戒してなかった。だから、相手に警戒されるようなプレーをしていかないといけない。

　攻撃で怖さを見せて、相手を下がらせるようなサッカーを展開したい。『こいつら怖いな』と思わせ、相手を走らせたら自分たちの勝ち。それは（コートジボワール戦で）走らされた自分たちが一番わかっているから」

「前から行ったら、後ろもアタックしていけば……」

　6月18日、ギリシャ戦が行なわれるナタールに到着した岡崎は、取材エリアにあるモニターで流れていたチリ対スペインのライブ映像を見ながら、翌日の試合について話し始めた。

「今日のチリの攻撃を見ていても、前からプレスに行ったときに、やっぱり後ろからもどんどんアタックしていけば、すごくチャンスになる。それによって、相手に余裕を持たせないことも可能だし。もちろんナタールのほうが湿度は高いだろうけれど、ハードワークしなくちゃいけない。ギリシャという守備の堅い相手に、どれだけ自分たちが我慢して（ボールを）まわせるか、自分たちからアクションを起こせるかが大事になってくる。本当に何も考えずにやることが重要だと思うんです」

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