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「世界王者」か、それとも「復活」か。
GI馬9頭、超豪華布陣の安田記念。 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byREUTERS/AFLO

posted2014/06/07 08:00

「世界王者」か、それとも「復活」か。GI馬9頭、超豪華布陣の安田記念。<Number Web> photograph by REUTERS/AFLO

ジャスタウェイにつけられたホースランキングの130ポンドは、日本馬としてはエルコンドルパサーの134ポンドに次ぐ数字。世界王者の貫禄を見せられるだろうか。

「復活」を期す実力馬3頭。

 もうひとつ、このレースのキーワードになるかもしれないのが「復活」だ。

 ノーザンファーム代表の吉田勝己氏が「サラブレッドの見本のような馬」と絶賛していたワールドエース(牡5歳、父ディープインパクト、栗東・池江泰寿厩舎)が、屈腱炎による1年8カ月もの長期休養を経て今季戦列に復帰。前走のマイラーズカップを1分31秒4のコースレコードで快勝し、ここに乗り込んできた。

 2年前のダービーで1番人気(4着)に支持された実力馬が、最も能力を発揮できる叩き3戦目となれば、マークしないわけにはいかない。

2年前にGI含む5連勝のカレンブラックヒルも復調。

 同じ2年前の皐月賞で1番人気(5着)だったグランデッツァ(牡5歳、父アグネスタキオン、栗東・平田修厩舎)も、屈腱炎による長期休養を余儀なくされながら、前走の都大路ステークスを芝1800mの日本レコードとなる1分43秒9で優勝。GI獲りに名乗りを挙げた。

 これも同じく2年前、新馬戦、こぶし賞、ニュージーランドトロフィー、NHKマイルカップ、毎日王冠と破竹の5連勝をやってのけたカレンブラックヒル(牡5歳、父ダイワメジャー、栗東・平田修厩舎)も、前走のダービー卿チャレンジトロフィーで1年半ぶりの勝利を挙げ、復活した。主戦の秋山真一郎が「とにかく走るのが速い」とすべてに惚れ込む逸材だ。逃げてNHKマイルカップを勝ったこともあれば、毎日王冠では先行してジャスタウェイの追い込みを封じた実績もある。ここでも「一発」の可能性は十分にある。

 ワールドエース、グランデッツァ、カレンブラックヒルの3頭とも、ここを勝ってこそ真の「復活」と言える。世界王者を負かしての価値ある戴冠となるか、楽しみだ。

【次ページ】 もうひとつのキーワード、「勢い」。

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