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キプロス戦、ザックは相当不満足!?
長谷部誠が語った1-0の光と影。
posted2014/05/28 12:00
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph by
Takuya Sugiyama
5月27日、キプロス戦後に用意された壮行セレモニー。
一列に並んだザックジャパンの面々に対して、埼玉スタジアムに集まった約6万人のファン、サポーターから拍手が送られた。
花束を持って挨拶でマイクの前に立ったキャプテンの長谷部誠が、最初少し言葉に詰まるとちょっとした笑いも起こった。
「4年間、積み上げてきたものを、全力で一生懸命プレーしていきたいと思います。熱い応援をよろしくお願いいたします」
一段と大きい激励の拍手と声援が、チームに注がれた。
この光景を見つめながら、4年前の記憶が頭によみがえってきた。
南アフリカW杯前、国内最後の壮行試合でライバル韓国に0-2で敗れ、スタジアムには失望感が漂っていた。チームキャプテンに就任した川口能活の挨拶の言葉は思い出せないが、あのときの何とも言えない重たい雰囲気はすぐに思い出せる。あれから4年が経ったのだと、時の流れの速さをあらためて実感させられた。
内田、長友、長谷部、大久保から感じた「思い」。
実力で日本より劣るキプロスが壮行試合の相手であり、18本のシュートを放ちながら1-0で終わった試合。日本は鹿児島キャンプで相当に追い込んできており、予想どおり全体的に体が重く、いつものスピーディーなパスワークも見られなかった。とはいえ、組織的でモチベーション高く戦ってきたキプロスに対し、課題は多くあれど、勝って気持ち良く日本を飛び立ちたいという思いはひしひしと伝わってきた。
先制ゴールを挙げた内田篤人からも、体が重そうな立ち上がりからギアを上げていく長友佑都からも、そして激しいファイトを見せる長谷部からも。ゴールを狙ってやるという野心的な大久保嘉人のギラギラしたプレーにも、それを感じることができた。