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坪井智哉、米独立リーグで現役続行!
迷える盟友にイチローがかけた言葉。 

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田口元義

田口元義Genki Taguchi

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posted2014/04/14 11:50

坪井智哉、米独立リーグで現役続行!迷える盟友にイチローがかけた言葉。<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

坪井智哉・公式フェイスブックより。「独立リーグの中では最高峰と言われており、メジャーやマイナーとの入れ替えが頻繁に行われているリーグ。少しでも夢に近づく為、このリーグでプレーすることを2年前から望んでいました」と夢へと一歩前進したことが報告されている。

 4月2日。スポーツ紙の片隅にこんな記事が掲載されていた。

<阪神、日本ハムで活躍した坪井 米独立リーグと基本合意>

 アトランティック・リーグに所属するランカスター・バーンストーマーズというチームへの入団がほぼ決まった、という内容の記事なのだが、報道を受け、おそらく多くのファンがこう感じたことだろう。

「坪井、まだ現役だったんだ」

 周りからそう思われていることは、坪井智哉本人も十分心得ている。

「これまで、メディアに取り上げられなかったっていうのもありますけど、僕自身、現状を公にしていなかったんで。だから、今でもよく、『坪井さん、引退されたんですか?』ってファンの方に聞かれるんですよ(笑)。その度に、『いや、まだ辞めてないんですよねぇ』って答えるんですけど」

 海を渡って2年。坪井は、今年の2月で40歳になった。

「本場の野球を肌で感じ取っておきたいな、と」

 日本では阪神、日本ハム、オリックスでプレーし、14年間で規定打席3割を3度マークした。通算安打は976本。実績だって十分だ。何より、プロ野球ファンにとって坪井智哉というブランド力は大きい。本人にその気があれば指導者や解説者として第二の人生を歩むことだってできるだろう。

 だが、現時点で坪井にその気はない。

「アメリカって野球発祥の地じゃないですか。そこで、一度でいいから野球をやってみたい。もっと本音を言えば、今後の人生勉強として『本場の野球を肌で感じ取っておきたいな』というか。やっぱり、後悔したくなかったんで。死ぬ間際になって、『あの時、やっておけばよかった』って思いたくないから、今でもアメリカで野球を続けているというか。まだまだ自分に満足していないだけなんですけどね」

 アメリカへの想いは、プロ入り当初からあったという。

【次ページ】 「PL、青学、東芝」のエリートがアメリカを夢見た理由。

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