ドラフトを視野にいれると、楽しみな佐野日大の田嶋。

　Bブロックでは、3日目の第3試合に登場する佐野日大の田嶋大樹（3年）が大会屈指の左腕だ。スリークォーターから投じるストレートの最速は145km。アーム式の投げ方に一抹の不安はあるが、選抜で上位に進出するのは好左腕を擁するチームというのがこれまでの選抜の常識。1回戦を勝ち上がれば智弁学園の岡本との超高校級対決の可能性を残す。ドラフトを視野に入れて高校野球を見ている私のような人間にはこたえられない対決である。

　ともに1回戦を勝ち上がれば、2回戦で龍谷大平安と横浜が激突する。龍谷大平安の注目選手は好打と俊足でチームを牽引する1番徳本健太朗（3年）。明治神宮大会2回戦では日本文理に5－6で敗れているが、徳本は9回に内野安打で出塁すると二盗、三盗を成功、同点機のチャンスを作っている。第3打席で二塁打を放ったときの二塁到達タイムは超高校級と言っていい7.62秒。極めて実戦的なオールラウンドプレーヤーと言っていい。

頂上まで駆け上がる可能性がある横浜の潜在能力。

　対する横浜は打線に特徴がある。スポーツ紙に最近「巨人が今秋ドラフトの1位候補選手として、横浜高（神奈川）の浅間大基外野手（17）をリストアップしている」という記事が出たが、このチームにはもう1人高浜祐仁（3年）というスラッガーがいて、2人はともに昨年夏の神奈川大会で桐光学園の松井裕樹（現楽天）から本塁打を放っている。

　左打ちの浅間（3年）がシュアに打ち分ける糸井嘉男（オリックス）タイプなら、右打ちの高浜は中田翔（日本ハム）を彷彿とさせるプルヒッティングのスラッガータイプだ。

　1番川口凌（3年）も走攻守の3拍子が揃い、個人技では参加校中トップクラスの能力の高さを誇るが、昨秋はそれが1つにまとまらないきらいがあった。1つになれば、もちろん一気に頂上まで突っ走る力を持っている。

　他の学校や選手も含めて話をまとめると、私が注目しているのはAブロックでは山梨学院大付、駒大苫小牧、日本文理、沖縄尚学の4校で、個人技では岩国・柳川健大（3年）、小山台・伊藤の投球に期待している。

　Bブロックは1回戦から強豪同士の激突が続き、先を読むのが難しい。あえて4校選べば、佐野日大、明徳義塾、広島新庄、横浜か。ただ、智弁学園、三重、関東一、美里工、智弁和歌山、龍谷大平安を外すのもしのびない、というか、正直なところ無印にして勝ち上がられたら怖いという気持ちがある。それくらい混沌としている。

　以前の記事で、最後に35人の選手を紹介したが、今回も同じものをつけておく。観戦の参考にしてもらいたい。

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