弥生賞にも好メンバーが集まる。

　キズナ、エピファネイア、コディーノら超豪華メンバーが揃った昨年には及ばないものの、今年の弥生賞にも、まずまずの好メンバーが集まった。

　なかでも一番の注目株は、新馬戦で2着になったあと、未勝利、出世レースの黄菊賞、若駒ステークスと3連勝しているトゥザワールド（父キングカメハメハ、栗東・池江泰寿厩舎）だ。母はエリザベス女王杯などを勝ったトゥザヴィクトリー、全兄に重賞5勝馬トゥザグローリーがいる超良血。

超良血のトゥザグローリー、オルフェの後継になれるか。

「この血統は仕上がるのに時間がかかるのですが、この時期の完成度ではこの馬が一番です」

　と、調教助手時代に母を扱い、調教師として兄や姉を管理してきた池江調教師は言う。

　新馬戦ではバンドワゴンに6馬身も離されたが、その差はかなり詰まっているか、逆転していると思われる。池江調教師は、そのバンドワゴンをきさらぎ賞で下したトーセンスターダムも管理している。昨年の凱旋門賞でオルフェーヴルが2着に敗れた直後、「もっと強い馬を育てて連れてきます」と話しており、これら2頭はその有力候補だろう。

　トゥザワールドに次ぐ存在と目されているのが、クラシック登竜門のラジオNIKKEI杯2歳ステークスを勝ったワンアンドオンリー（父ハーツクライ、栗東・橋口弘次郎厩舎）だ。これまで管理馬がダービーで4度も2着になっている橋口調教師が、定年まで残された2度のチャンスのうちのひとつを、この馬で狙っている。

　デビュー2戦目で重賞の京成杯に挑戦し3着と好走したアデイインザライフ（父ディープインパクト、美浦・鈴木康弘厩舎）もかなりのスケールを感じさせる。

　その京成杯で2番人気に支持されながら11着と期待を裏切ったエアアンセム（父シンボリクリスエス、美浦・伊藤正徳厩舎）も、いい仕上がりだ。ダービーを8勝し、「大尾形」と呼ばれた伯楽・尾形藤吉の流れをくむ「伊藤正徳－後藤浩輝」の師弟コンビが意地を見せるか。

【次ページ】　恒例の予想、今回は東西2レース分。