25位という結果にも、弱気な様子は全くない田畑。

　2分00秒64で25位という結果だけを見れば、ふるわない成績だが、田畑の胸には「勝負はチームパシュート」との思いがある。「練習では1周のラップは出ている。スピードは出ているので、パシュートにつながってくると思っている」と弱気な様子はまったくない。

　チームパシュートで銀メダルを獲得したバンクーバー五輪でも、田畑の1500メートルの成績は19位だった。3人が縦に隊列を作り、風圧を受ける先頭の選手を入れ替えながらリンクを6周するパシュートは、「1＋1＋1」が必ずしも「3」にはならない。3人の息の合った滑りが重要になる。

　バンクーバー五輪のときは、1500メートルを最も得意とする田畑、3000メートル以上の長距離を得意とする穂積雅子、短距離の500メートルと1000メートルに重点をシフトしつつあった小平奈緒の3人がチームを組んだ。日本人らしく短期間でしっかりと「チーム」として熟成させて銀メダルを取ったのは、さすがだったと言える。

ソチに向けて、昨夏から行なってきたパシュートの合宿。

　ソチに向けては、昨夏から所属チームの垣根を越えてパシュートのための合宿を敢行。今回1500メートルに出た4人は、合宿から息を合わせてきたメンバーであり、調和の取れた滑りをする力を十分に持っている。実力差がさほどないこともパシュートのチームとしては好材料。田畑は、「選手個々の調子は決して良いとは言えないけれど、皆でまとまれば良い結果を得られるはず」とポジティブに考えている。

　ここまでメダルゼロのスピードスケート陣。1500メートルで何かをつかんだ彼女たちが、大会終盤に行われるチームパシュートで消沈ムードを吹き飛ばしてくれることを期待したい。