MLB東奔西走BACK NUMBER
ジェイミー・モイヤーと大塚晶則。
復活にかけるベテラン投手のド根性!
text by
菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi
photograph byNaoya Sanuki
posted2011/01/12 10:30
2006年、第1回WBCでは優勝投手となった大塚晶則。大会ではクローザーとして5試合に登板し、日本の優勝に大きく貢献した
リハビリ3年目でも大塚はメジャー復帰を諦めていない。
そのモイヤーにも劣らない信念を胸に、復帰を目指している日本人投手がいる。2007年シーズンの活躍を最後に長いリハビリ生活を続けている大塚晶則だ。
大塚は2008年1月に右ヒジ手術を受けて以来、なかなか完治しない状態が続いている。だが、昨年1月に3度目の右ヒジ手術を行い状態回復を探るなど、今も現役復帰を目指している。
メジャー4年間で39セーブ、74ホールドをあげている男に、年末、久々に再会することができた。
「ヒジは医者からも問題ないと言われていますし、まったく痛みはないです。最近は50mぐらい投げられるようになっています」
3年間地道なリハビリを続けているとは思えないぐらい、大塚の表情はトレードマークとも言えるすがすがしい笑顔で満たされていた。一向に回復してこないヒジに不安を感じなかったといえば嘘になるだろう。それでもなお3度目の手術に踏み切った意志の強さには頭が下がる。
大塚も1月13日に39歳になる。すでに3年も現役から遠ざかっていることを考えれば、モイヤー以上に現役復帰は難しい状況にあるだろう。それでも彼の笑顔の中に、焦ることなく自分の信じた道を全うしようとする充実感を垣間見たような気がしている。
大塚には、リハビリが順調にいけば今シーズン中にでもマウンドに立てるのではないかという青写真がある。近いうちに大塚が、そしてモイヤーがメジャーのマウンドに帰ってきたという朗報をこの場で報告できる日が来るのを信じ、待つこととしよう。