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平尾GMが指摘する、
神戸製鋼に足りないもの。
~トップリーグ王座奪回ならず~
text by
大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph byNobuhiko Otomo
posted2014/02/16 08:10
敗戦後、円陣を組む神鋼。一時同点トライのジャック・フーリー(中央)も肩を落とした。
トップリーグ得点王ニコラス・ライアンの蹴ったボールが力なくインゴールに落ちたとき、神戸製鋼ファンは奇跡を期待しただろう。
2月2日のトップリーグ・プレーオフ準決勝はすでにホーンが鳴っていた。3連覇を目指すサントリーのリードは3点。スクラムでPKを奪い取り、時間をかけて蹴ったニコラスのPGがまさかの失敗。神戸製鋼は、自陣インゴールから相手ゴールラインまでボールを運べば逆転だ。可能性が低いのは先刻承知、ありえないPG失敗でもらったチャンスだ、ありえないアタックだって成功するはずだ――。
だが奇跡は起きなかった。逆に猛然とプレッシャーに来たサントリーのFLジョージ・スミスの圧力に耐えきれず、インゴールでこぼれた球にサントリーの新人PR石原慎太郎が飛び込んだ。19-27の敗戦。トップリーグが発足した'03年度に初代王座を獲得して以来、見放されている王座の奪回は今回も叶わなかった。