フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
各国五輪代表が出揃い、ソチ本番へ。
フィギュア日本勢の全ライバル検証。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byYusuke Nakanishi/AFLO SPORT
posted2014/01/29 10:45
フィギュアスケート界の“帝王”エフゲニー・プルシェンコが帰ってくる! 31歳になった伝説のスケーターは、4度目の出場となるソチでどのような演技を見せてくれるのだろうか。
悲願の4度目の五輪出場を果たすプルシェンコ。
結局ロシアの連盟は、1月22日にプルシェンコをソチ五輪の男子代表に選ぶことを発表。どのみちメダルが無理なのなら、国民的英雄である“帝王”プルシェンコに最後の花道を与えよう。そう判断したのに違いない。
ロシアフィギュアスケート連盟会長のアレクサンドル・ゴルシコフは、連盟関係者の立会いのもとに行われたテストスケートでプルシェンコが素晴らしい演技を見せたと主張する。そもそも五輪出場枠のかかった昨年度の世界選手権も、人工椎間板を入れるという大手術から回復中でなければ、プルシェンコ本人が出て2枠以上を稼いできていただろう。若手たちに不満があるとすれば、昨年の世界選手権で失敗した己を恨むしかない。
もっとも代表枠1名の男子は、団体戦と個人戦でSP、フリー合計4回滑らなくてはならない。何度も負傷、手術を重ねて満身創痍状態の31歳のプルシェンコの体力が、果たしてどこまで持つのかは、その時になってみないとわからないだろう。
メダルの可能性もあるロシアのティーネイジャーたち。
一方女子は、欧州選手権で初タイトルをとった15歳のユリア・リプニツカヤと、2位だった17歳のアデリナ・ソトニコワというティーネイジャーの2人が選ばれた。ロシア選手権もソトニコワ、リプニツカヤが1位2位だったことを考慮しても、順当な選抜だったと言えるだろう。
ブダペストでは2人とも200点以上の高得点を出しており、ソチに向けていよいよロシアが最後のスパートをかけてきた印象がある。祖国の期待を背負ったこの2人が、初出場の五輪という舞台でどこまで実力を発揮できるだろうか。失うものは何もない、という心持で思い切りの良い演技をすれば、表彰台にあがって来る可能性もある。