フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
各国五輪代表が出揃い、ソチ本番へ。
フィギュア日本勢の全ライバル検証。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byYusuke Nakanishi/AFLO SPORT
posted2014/01/29 10:45
フィギュアスケート界の“帝王”エフゲニー・プルシェンコが帰ってくる! 31歳になった伝説のスケーターは、4度目の出場となるソチでどのような演技を見せてくれるのだろうか。
プレッシャーと戦うチャン。
一方カナダ選手権では、予想通り7年連続のカナダタイトルを手にしたパトリック・チャン。だがその内容は、普段の彼らしくなかった。
チャンはこれまでカナダ選手権など、自国のファンとジャッジの前では怖いほどの素晴らしい演技を見せるということを繰り返してきていた。本人も「カナダ選手権は気楽な大会で、伸び伸びと思い切り良い演技ができる」と公言してはばからなかった。
だが今回はSPではアクセルとルッツでミスがあり、フリーでも二度目の4回転が2回転になっている。それでも2位のケヴィン・レイノルズに35ポイント近くの点差をつけて優勝したが、本人はすっきりしない表情を見せた。
「GPファイナルが思うようにいかなかったことが、まだ精神的に影響を与えているのだと思う」とプレスに語ったチャン。
3年連続して世界タイトルを手にしてきたチャンは、ソチでも圧倒的な金メダリスト候補と言われていた。だが五輪の2カ月前になって、福岡のGPファイナルで羽生結弦に敗れて2位に終わったことは、彼にかなりの精神的な動揺を与えたようだ。
それまでの彼は、自分が普通に滑れば勝てる、という自信があっただろう。だが福岡ではフリーでほぼノーミスだったのに、サルコウで転倒のあった羽生より点が低く2位だったことは、何より大きなショックだったのではないだろうか。
チャンがソチ五輪の本番までに、どこまで気持ちを建て直してくるだろうか。世界王者として挑む彼の真の強さがそこで問われることになるだろう。
いよいよソチ五輪開催まであと2週間を切るところとなった。フィギュアスケートは2月6日に団体戦のSPから開催される。