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U-22選手権で敗れたリオ五輪世代。
世界一を視野に入れた彼らの“当然”。 

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了戒美子

了戒美子Yoshiko Ryokai

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posted2014/01/25 08:15

U-22選手権で敗れたリオ五輪世代。世界一を視野に入れた彼らの“当然”。<Number Web> photograph by Getty Images

87分に交代で退くまで、ピッチで必死の守備を見せた原川力。京都から愛媛に期限付き移籍し、来季はさらなる出場機会の確保を期す。

少年時代から海外のピッチを見据えてきた。

 現代表の選手たちの中には、五輪の先に海外移籍を見据える者も少なくない。これは過去2大会を取材してきたが、ほとんど経験がないことだった。このチームの最年長はJリーグ元年生まれ。衛星放送なども身近になり、ネット情報などもどんどん充実していった世代だ。海外でプレーするということは、子供の頃から身近なものだったようなのだ。

 例えば、今回追加招集ながらボランチで好プレーを見せた原川力は「目標はチャンピオンズリーグ決勝に出ること」と言い切っている。

「最初に見て憧れたサッカーがチャンピオンズリーグだった。Jリーグに入りたいという思いは飛び越えて最初から欧州だった。いろんなビデオを見てたし、ジダンもバッジョも……。今だったらイスコを意識するかな~」

 彼の場合は、同じ中学出身で京都サンガでチームメイトだった久保裕也が先に欧州で結果を出していることも影響が大きいのだろう。「そっちはどうなん? って連絡を取り合ったりしてます」と言う。「五輪に出れば多くのひとに見てもらえる」と、リオへの意気込みも一段と強い。

五輪は海外移籍のためのショーケース。

 また、今回も多く招集されている'94年生まれ世代は“94ジャパン”として'11年にU-17ワールドカップメキシコ大会に出場し、準々決勝でブラジルと好ゲームを演じた世代だ。その年にアジア年間最優秀ユース選手賞に輝いた石毛秀樹は、この世代ではいち早く、昨年J1でレギュラーに定着している。さらに同年、マンチェスター・シティの練習にも参加した。

「トップチームの選手とはやれなかったので、あんまり(マンチェスター・シティの選手が)うまかったという印象はない」と教えてくれた石毛だが、当然彼も強い海外志向を持っている。移籍のタイミングとしてとらえているのが、リオ五輪なのだ。冷静な口調で、石毛はこうも語っていた。

「U-17ワールドカップを経験して、海外でプレーしたいと思うようになりました。でも五輪が終わるまでは日本って決めている。もうやり残したことがないって言えるくらいになって移籍したいし、Jリーグでできなきゃ向こうでもできないと思う」

【次ページ】 “世界一”を視野に入れるリオ五輪世代。

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