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大型補強以上に勝敗を分ける“心”。
SB・松田宣浩が苦言に込めた真意。 

text by

田口元義

田口元義Genki Taguchi

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photograph byNaoya Sanuki

posted2014/01/21 10:40

大型補強以上に勝敗を分ける“心”。SB・松田宣浩が苦言に込めた真意。<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

30歳を迎え、選手会長にも就任。名実ともにソフトバンクの中心となった松田宣浩は、率先してチーム内の競争に飛び込む気合を見せた。

優勝候補の大本命と目された昨季は終盤に失速した。

 球団にそれだけの補強をさせてしまったのは自分たち選手の責任――。松田は、それをはっきりと示したかった。だからこそ、球団への苦言と受け取れる言葉のなかにも、「モチベーション」と「バランス」という文言を用い、さりげなく選手たちに奮起を促していたのだ。

 昨季のソフトバンクは周囲の期待を大きく裏切った。

 開幕前の順位予想では、評論家、解説者のほとんどがソフトバンクの優勝と予想した。交流戦優勝と序盤は上位をキープしていたが、9勝12敗と負け越した7月あたりから勝ちきれなくなった。

 ハイライトを挙げるとすれば、熾烈な順位争いを繰り広げていた9月の終盤以降だろう。

 21日からの2位・ロッテに1勝2敗。24日からの5位・オリックスとのカードではホームで3連敗を喫した。2位争いの最終局面となった10月は、2日、3日と西武に連敗し、悪い流れのまま4日には最下位の日本ハムに敗れた。優勝候補大本命と目されたソフトバンクは、クライマックスシリーズにすら出場することなくシーズンを終えてしまったのだ。

戦う前から“評価される重圧”はものすごくあった。

 優勝候補と言われながらの4位。それでも、松田は現実から目をそらさず正直な想いを紡ぐ。

「ロッテ戦の負け越しとオリックス戦の3連敗。あの負けを引きずったのは確かです。オリックスに3連勝していれば、最後(10月)の3連敗もなかったかもしれない。クライマックスに出て、日本一の望みを繋げられたのかもしれません。順位争いをしているシーズン終盤って一戦必勝なんですよ。だからこそ、勝てなかった時のダメージも大きいんですよね。開幕前から、みなさんがホークスを優勝と予想してくれたのは嬉しかったです。でも、戦う前からそうやって評価されるプレッシャーってものすごくあって……。そういうことも含め、色々と学べた1年ではありましたね」

 勝てなかった原因を細かく挙げればキリがないだろうが、なかでも松田が悔やんだのは投打のバランスだった。

【次ページ】 松田が求める「戦う姿勢」を体現した楽天の結束力。

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