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セリエAのジンクスを破壊するナポリ。
“スペイン化”でカテナチオに挑む。 

text by

弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2014/01/15 10:40

セリエAのジンクスを破壊するナポリ。“スペイン化”でカテナチオに挑む。<Number Web> photograph by AFLO

インテル長友がヘッドでクリアしたボールをダイレクトボレーでゴールに突き刺し、歓喜するイグアイン(右)。長友の今季4点目も生まれたが、試合は4-2でナポリが勝利した。

「ナポリより熱くなれる場所を探すのは難しい」

 時代は変わった。隣国に倣ったパスワークは世界の潮流であり、MFボルハ・バレロ(フィオレンティーナ)のように真のタレントが発掘される例も出てきた。

 ホームシックにかかる必要もない。ナポリの選手たちにとって、本拠地サン・パオロは誰にも等しく“ホーム”なのだ。

 今月9日、サン・パオロで行われた公開練習に1万5千人が駆けつけた。朗らかな陽気に包まれた平日のお昼前、紅白戦には公式戦さながらにアッズーリ色の旗が打ち振られ、あちこちで発煙筒が焚かれた。

“学校へ行くのは義務じゃなくても、ナポリを応援するのは義務だ”と記された横断幕を見たイグアインは、感極まった。

「サッカー愛ということについて言うなら、ナポリより熱くなれる場所を探すのは難しい。何かを勝ち取るのは難しい。だが、俺たちは歴史を作りたいんだ」

 笑いあり、涙あり。

 激しい感情の起伏こそ、ナポリとスペイン系選手たちのバイタリティを喚起する源だ。試合中は冷静を装う指揮官も、勝利の後は誰より饒舌になる。

 イベリア半島仕込みの異色のチームが倒すべきは、守備の国の象徴である王者ユーベだ。痛快な攻撃サッカーと鉄壁の守備による南北対決が、リーグ後半戦を熱くする。

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