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「遠回りしたっていいと思ってる」
J2の1年は遠藤保仁の何を変えたか。 

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byYUTAKA/AFLO SPORT

posted2013/12/16 10:30

「遠回りしたっていいと思ってる」J2の1年は遠藤保仁の何を変えたか。<Number Web> photograph by YUTAKA/AFLO SPORT

「J2 Most Exiciting Player」を受賞する遠藤保仁。プロ入り初の主将、宇佐美をサポートする高めのポジションなど、初体験に満ちた1年となった。

J2について、遠藤が口調を強めて語ったこととは。

 J1昇格が間近になっていた10月下旬、ガンバ大阪のクラブハウスで遠藤に話を聞く機会があった。

 初めてのJ2の経験は自分に何をもたらしているのか?

 そう問うと、いつもの淡々した口調を少々強めて彼はこう言った。

「(J1との)環境の違いだったりを楽しんだりしています。常にレベルの高いチームと戦えるなら、それに越したことはないですよ。でも試合とか環境とかも経験のうちだと思えば、別に悪いってわけじゃない。

 個人のレベルはもちろんJ1のほうが高いし、J2は単純なミスも多い。そこに慣れたらダメだし、判断のスピードを落としてしまうこともしてはいけない。でも、こういうのは意識の問題じゃないかな、と。

(J2だと)ACLもないし、ナビスコカップもないから試合はほぼ週一ペース。42試合あると言っても、練習時間のほうがはるかに長いんです。自分の時間が凄く増えるわけで、そこをいかに大切にするか、だと僕は思う」

 J2は代表の日程に左右されないため、欠場しなければならない試合も出てくる。元々、週二ペースの連戦を好むタイプだけに、ここは頭と体を切り替えなければならなかった。日々の練習を、これまで以上に濃密にしようとした。

タイトな日程ではできなかった「肉体改造」に取り組む。

 自分の時間の使い方――。

 チーム内で高いレベルの練習ができれば、判断のスピードを落とすことはない。J1で優勝争いできるレベルを意識しながら、キャプテンとして若い選手にも厳しい目を向けた。そして全体練習を終えると、下半身の強化に取り組んでいく。フィジカルコーチと意見をかわしながら筋トレに励み、スピードと耐久力、そしてバランスの強化に努めたという。J1と日本代表が絡むタイトな日程なら出来なかった「肉体改造」を、彼は1年間の目標としてやろうとしてきた。

「個人的に思うのは、自分の弱い部分をいかに見つめられるか。強い部分というのは自分で勝手に気づくものだけど、弱い部分は目をそむけがちだから。

 取り組んできたことが、試合のなかで(成果が)ちょくちょく出るようになってきたかなとは思います」

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