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酒井高徳、順調な道のりと“踊り場”。
「全部良くしようとして止まってる」 

text by

ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byBongarts/Getty Images

posted2013/12/13 10:30

酒井高徳、順調な道のりと“踊り場”。「全部良くしようとして止まってる」<Number Web> photograph by Bongarts/Getty Images

酒井も勝利に貢献したベルギー戦で日本代表の評価はあがり、チームメイトから「(W杯で)日本と同じ組には入りたくない」と声をかけられたという。しかし11月22日のボルシアMG戦で酒井は2試合連続の先発落ち。チームは好調をキープしている。

ハイペースで経験を積む酒井の残り半年に注目。

 ベルギー代表との試合では、右サイドバックの控えと見られていた酒井宏樹が柿谷曜一朗の同点ゴールをアシスト。「(ハノーファーで試合に出られていない時期と比べて代表に合流するのは)気持ち的にはポジティブです。ボール持った時の感覚とか違うと思う」という言葉通りの活躍を見せた。

 同世代のライバルの成長を目にした酒井が危機感を募らせるのは無理もないのかもしれない。そして、そんなときだからこそ、次の一歩が大事になる。

 ブンデスリーガにおいて、酒井高徳ほどのペースで試合に出ている日本人選手はいない。2012年1月に加わってから2年もたっていないが、すでに53試合に出場を果たしている。これは香川真司や長谷部誠はもちろん、奥寺康彦氏よりも早いペースだ。

 さらに昨シーズンはヨーロッパリーグに参戦し、ドイツ杯でも決勝に進出したため、2年足らずで公式戦出場は75を数える。ヨーロッパの主要国のトップリーグでプレーし始めてから2年もたたないうちにこれほどのペースで試合に出続ける選手は、世界中に目をむけてもそれほど多くはないだろう。

 成長するためのチャンスには恵まれている。だからこそ、それを活かせていない自分がもどかしい。

 努力をすれば、必ず結果が出るほどプロの世界は甘くはない。しかし、正しい方向へ努力することなしに結果を手にすることも難しい。

 W杯まで残された時間は約半年。酒井はどの方向へと歩みを進めるのだろうか。

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