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酒井高徳、順調な道のりと“踊り場”。
「全部良くしようとして止まってる」 

text by

ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byBongarts/Getty Images

posted2013/12/13 10:30

酒井高徳、順調な道のりと“踊り場”。「全部良くしようとして止まってる」<Number Web> photograph by Bongarts/Getty Images

酒井も勝利に貢献したベルギー戦で日本代表の評価はあがり、チームメイトから「(W杯で)日本と同じ組には入りたくない」と声をかけられたという。しかし11月22日のボルシアMG戦で酒井は2試合連続の先発落ち。チームは好調をキープしている。

 これは停滞なのだろうか。それとも、一つ上のレベルの選手に成長する階段の踊り場なのだろうか。

「どっちを取るかだと思う。(次の代表戦が行なわれる)3月までに個を伸ばすとしても、攻撃でも守備でも(一気に)上手くなろうとするのははすごく難しいと思うし……」

 そう語るのは、シュツットガルトでプレーする酒井高徳だ。

 11月19日の日本代表のベルギー戦の3日後、ボルシアMGとの試合でベンチ入りしながら出番のないまま終わったあとのことだった。

「自分の長所を伸ばすことを取るのか、課題(の改善)を取るのかっていうところだと思うんです。ベルギーとの試合でも、失点に絡んだ部分はすごい反省しているし、自分としても守備が課題だと思います。

 でも、失点に絡んだけど、例えばアシストするなり、点をとるなりして自分の特長をおもいっきり出せるなら、そっちの方がいいのかなという思いもあるし……。ディフェンスなので、守備が成長しなくていいとは全く思っていないです。だけど、攻撃ではアイデア、クオリティ、質の高さをもうちょっと求めた方がいいのかなと思うので」

「全部良くしようとしすぎて止まっちゃっている」

 そして、こう付け加えた。

「やっぱり、正直なことを言うと、全部良くしようとしすぎて止まっちゃっている感じは自分の中でしていて。今は少し考えているところかな……」

 酒井高徳は、先日の日本代表の欧州遠征で、オランダ戦は後半28分からの途中出場、ベルギー戦ではスタメンで後半41分まで出場を果たした。日本代表での存在感は増している。

 にもかかわらず、酒井は頭を悩ませる。次の一歩を、どうやって踏み出せばいいのか、と。

 もしも生まれ変わったならばサイドバックではないポジションを選ぶかもしれない、と話すこともある酒井は、攻撃に絡むプレーを得意としている。逆に言えば、守備では課題が多いと自認している。

【次ページ】 「守備は必要だけど、一番の売りは攻撃の部分」

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酒井高徳
シュツットガルト

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