スポーツのお値段BACK NUMBER
球団買収は、いくらならお買い得?
買い物上手はSB? 楽天? DeNA?
text by
並木裕太Yuta Namiki
photograph byHideki Sugiyama
posted2013/10/25 10:30
球団創設9年目にして、初めてリーグ優勝を果たし宙を舞う楽天・三木谷浩史オーナー。買い物上手は、空を飛ぶのも上手だった。
SBは安く、DeNAは高く、楽天は激安で球団を手に入れた。
こう考えると、「(コストが高くついたとはいえ)ソフトバンクにとっては安い買い物」、「DeNAにとっては高い買い物」、「楽天にとっては激安だった」ということになるのではないでしょうか。
楽天の参入当時、「(マーケットの小さい)仙台に本拠地を置くことになって、三木谷(浩史)社長は外れクジ引いたね」などという声を聞きました。しかし結果的には、最も効率的に球界にエントリーし、そのメリットを享受したのが楽天でした。逆に、DeNAは横浜という好立地にもかかわらず、球団保有のメリットを生かしきれていません。球団を買う価値があるかどうかは、65億円、200億円あるいは0円といった球団取得のコストやフランチャイズの市場性以上に、買い手企業が「ブレイク前夜の大衆サービスを有しているかどうか」が重要なのです。
参入当初の莫大な宣伝効果は、年を経るごとに薄れていきます。チームを継続的に保有するかどうか、今後の判断もまた各社の「お買い得」度に影響を与えることになるでしょう。
(構成:日比野恭三)