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最下位サラゴサにアギーレ監督就任。
泥沼チームを本当に立て直せるのか?
text by
中嶋亨Toru Nakajima
photograph byMutsu Kawamori
posted2010/12/16 10:30
両親はバスク系メキシコ人で、スペインにルーツを持つアギーレ。現役時代はメキシコ代表として活躍し、1986-87シーズンにオサスナでプレーしている
降格圏内だが意外とタレントが揃っているサラゴサ。
まず前線にはシナマ・ポンゴル、マルコ・ペレス、ブラウリオ、ウチェら身体能力が高く馬力あるFWがいる。さらに、サイドアタッカーにはラフィタ、ベルトーロら突破力に長けた選手も擁している。
中盤センターには“サラゴサのイニエスタ”と称されるU-21スペイン代表MFアンデル、闘争心と献身性を兼備するキャプテンのMFガビ、そしてCBとSBもこなせるポンシオ、バルサやビジャレアルで活躍したベテランのエジミウソンとタレントが揃う。
最終ラインにはウルグアイ代表右SBのディオゴ、チェコ代表CBヤロシク、経験豊富なイタリア人CBコンティーニ、セルビア代表左SBオブラドビッチ、そしてGKには元アルゼンチン代表レオ・フランコがいる。
この陣容を見れば、決して降格圏内が定位置となるようなチームではない。
戦術の細かい変更で守備組織の整備は十分できるはず!?
サラゴサを立て直すためにアギーレが最初に取り組むべきは守備組織の整備だ。
最終ラインの選手はスピードに難があるものの、粘り強さと高い闘争心を備えている。これまではゴールを奪うために前掛かりになったところを裏のスペースを突かれて失点を重ねていた。
しかし、自陣に人数を揃えて互いがサポートし合える状態を作れれば、スピード不足を十分に補える。
中盤のガビ、エジミウソン、ポンシオがカバーリングに優れていることも好材料だ。アギーレがメキシコ代表やオサスナで行なったように最終ラインと前線の距離を縮めることでそれぞれのプレーエリアが明確になり、パフォーマンスの向上を見込める。
もちろん、チームの立て直しはそう簡単にはいかないだろう。