フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
アメリカGPに舞った2枚の「日の丸」。
浅田と町田のW優勝でシーズン始動!
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byGetty Images
posted2013/10/22 10:31
優勝した町田は、「自分から勝ちを狙いにいって、自分の力で優勝をつかむことができたのは、本当にうれしい。4回転ジャンプの調子はよくなかったが、これからも続けていきたい」とコメントした。
10月18日、ミシガン州デトロイトでスケートアメリカが開幕。いよいよソチ五輪シーズンのGPシリーズがスタートした。
男子は町田樹が、女子は浅田真央が優勝して、君が代が二度流れるという幸先の良いスタートとなった。
町田樹が自身初となるスケートアメリカのタイトル。
今季初のGP大会の男子シングルで優勝を飾ったのは、高橋大輔でも、小塚崇彦でもなく町田樹だった。昨年はこの大会で3位。今年はついにタイトルをものにした。だが町田は、手放しで喜ぶ様子は見せなかった。
「ここで勝ったからと言って、五輪代表選考にはまったくアドバンテージにならないとわかっています。自分でも勝ったのは“たまたま”だったと思っているし、周りもそう思っていると思う。『勝って兜の緒を締めよ』ではないですけれど、気を緩めないで、ここからロシア杯、ファイナル、そして全日本選手権とつなげていきたいです」
優勝会見で、町田樹はそう語った。
会場中の観客が立ち上がり、スタンディングオベーションを!
SPの「エデンの東」では、驚くほど切れ味の良い4+3トウループを含むノーミスのプログラムを滑りきり、91.18とそれまでのパーソナルベストを大幅に更新。歴代男子の中で6位に入る高得点を獲得して、SP2位だったジェイソン・ブラウンの83.78に大差をつけ、トップに立った。
フリー「火の鳥」ではコンビネーションこそつかなかったものの、やはり4回転トウループを2回降りて、3アクセル+3トウループなどほとんどミスのない演技。町田が最後のポーズをとると、会場中の観客が立ち上がり、スタンディングオベーションをおくった。