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<ロングインタビュー> ジョゼ・モウリーニョ 「私は以前よりも良い監督になった」 

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ロブ・ビーズリー

ロブ・ビーズリーRob Beasle

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posted2013/09/27 06:00

<ロングインタビュー> ジョゼ・モウリーニョ 「私は以前よりも良い監督になった」<Number Web> photograph by AFLO

私は“昔の名監督”としてはみられたくない。

――チェルシーに復帰する際に、プレッシャーは感じなかっただろうか。君はかつて、このクラブで一時代を築き上げた。昔の自分と否応なく比較されることになる。

「私はそういう考え方はしない。実績は厳然として残っているわけだし、輝かしい記録を消し去ったりすることは誰にもできない。チェルシーというクラブの気質は理解しているつもりだが、サポーターは、私がすべてを捧げたことを今も覚えている。

 ただし私は昔の名監督としてはみられたくない。あくまでも新たにチームに赴任した指導者として評価を勝ち取り、人々から愛されるようになっていきたいんだ。過去の実績によって、自分の立場が守られているとも思わないしね。これは選手も同じだ」

――その自信はあると。

「私は各国のトップクラブで、狙ったタイトルをすべて手に入れてきた。だから実績に乏しい監督のように、プレッシャーを感じたりはしない。私が感じている唯一の重圧は、チェルシーを必ず勝たせなければならないというプレッシャーだけだよ」

前回対立したアブラモビッチとの関係は……?

――前回チェルシーを率いた際には、オーナーのアブラモビッチと対立してクラブを辞める形になっている。この点の懸念は?

「ポルトガルには『友情と仕事は別物』という表現がある。同じことは、私とミスター・アブラモビッチの関係にも当てはまると思う。

 今回、私がこなさなければならない役回りは、チェルシーに初めて来た時とはかなり違っている。むろん選手全員が野心を抱いている点に変わりはないが、若いメンバーがとても多い……23歳以下が半数近くを占めるんだ。だから私は、育成にも力を注いでいくことになる。それこそがミスター・アブラモビッチから頼まれた仕事だった。フィナンシャル・フェアプレーの制度が導入されただけに、なおさら育成は重要だ。

 成功を収めるためには、長期的な視野に立ったクラブの運営が不可欠になる。その認識は、ミスター・アブラモビッチも持っている。そもそも私は数あるオファーの中から、チェルシーを選んだわけだし」

―― 一時期は、マンチェスター・ユナイテッドでアレックス・ファーガソンの後任になるのではないかという噂もさかんに流れた。

「彼は数カ月前に、監督を辞めると教えてくれた。その際に、私もチェルシーに戻るつもりだと打ち明けたんだ。ユナイテッドを引き継ぐというような話は一切出なかったよ。そしてお互いに秘密を守り通したんだ」

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