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献身的なFW“ジュビロの前田遼一”は、
“日本の前田遼一”になれるのか? 

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2010/11/17 10:30

献身的なFW“ジュビロの前田遼一”は、“日本の前田遼一”になれるのか?<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

昨シーズン、前田が獲得したJリーグ得点王は、日本人選手としては史上5人目であった。前田の前は7年前の高原直泰までさかのぼることになる

日本代表ではエゴイストに切り替えてエースの座を!

 象徴的なシーンだったのは前半43分。

 前田はポストプレーからフリーとなったが、本田圭佑はパスでなくミドルシュートを選択している。前田はフリーになるように精力的に動いたのに、パスを引き出せていない。もっと俺の動きを見てくれ。そんなジェスチャーがあってもいい、とスタンドから見ていた筆者は思ったものだった。もちろん周囲が、前田のポテンシャルを活かしきれていないとも言える。積極的にシュートを打つことは悪いことではないのだが、相手を外してパスを待つ前田の動きを見逃していることが少なくないという印象を受けた。

 1月のアジアカップで前田が招集されることはまず間違いない。

 中山、高原のように日本代表のエースとしてザックジャパンで活躍するためには、多少なりのエゴと周りの理解が必要になってくるだろう。

「シュートは抜群にうまくなっている」と奥は語る。チャンスがあれば、前田なら決めてくれる。そんな期待感が今の前田にはある。「ジュビロの前田」で終わってしまうにはあまりにも惜しい。「日本の前田」となるためには、前田に自覚と覚悟が求められる。

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