中日の唯一の弱点「6番」も井端の復帰があれば……。

「隙がない」とされる中日のなかで、唯一といっていいウイークポイントが6番だった。

　上位が出塁し中軸が還す。しかし、2死で得点圏に走者を置きながら後続がチャンスを潰すことが多かったことから、今シーズンはそれまで上位を打っていた井端弘和を6番に固定。ところが、その井端がよもやの長期離脱。プラン通りの布陣を作れなかった。

　シリーズでは初戦から井端の出場も濃厚。

　CSでは7番だったが、おそらくは6番を任されるだろう。きわどいコースのボールはファウルで粘り、相手に多くの球数を投げさせる「6番・井端」は、ロッテ投手陣にとって脅威となるはずだ。

　チーム打率、得点ともにリーグ1位のロッテからすれば、いくら12球団のトップの防御率を誇る中日が相手とはいえ、この段階での打線のテコ入れは必要ない。

　となれば、リーグ5位の防御率だった投手陣、特に先発をどう起用するかがポイントとなってくる。

成瀬ともうひとりの「勝ちを計算できる投手」とは？

　だが今は、その先発にも勢いがある。

　エースの成瀬善久はその代表格だろう。今年のペナントレースでソフトバンクに0勝4敗だった男が、CSファイナルステージでは快投を演じ2試合連続完投勝利。日本シリーズ進出の立役者となった。

　成瀬の出来も大事だが、日本一になるチームには必ず「勝ちを計算できる投手」がふたりいる。

　このシリーズのロッテでいえば、そのもう一枚を渡辺俊介に託したいところだ。

　確かに、今シーズンの渡辺は終盤に勝てなくなり二軍落ちも経験するなど不安材料はある。だが、CSでは西武戦、ソフトバンク戦ともに投球内容はよかった。

　さらに渡辺は、中日に勝てる投手なのだ。交流戦が始まった'05年からの対中日戦での通算成績は、7試合に登板し5勝1敗。落合博満監督は、'04年に就任以降チームカラーを大幅に変えていないから、この数字は十分な参考資料になる。

　初戦の先発は成瀬の可能性が高いが、あえて渡辺で行き、相手の出鼻をくじくのも戦術としては面白い。

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