リーガ・エスパニョーラの愉楽BACK NUMBER
大勝続きでもいまだ「覚醒」せず。
モウリーニョのレアルが抱える爆弾。
text by
中嶋亨Toru Nakajima
photograph byMutsu Kawamori
posted2010/10/20 10:30
モウリーニョ率いるレアルは7節を終えた時点で2位と勝ち点1差ながら単独首位。リーガ全20チーム中、唯一無敗のチームではあるが……
ペドロ・レオンの起用法に見る指揮官のメッセージ。
マラガ戦(7節/10月16日)で4点目が決まった直後、モウリーニョはベンチ前でガッツポーズを決めたのも束の間、ベンチに座っていたペドロ・レオンにウォーミングアップを命じ、その3分後に出場させた。このペドロ・レオンは、レバンテ戦(5節/9月25日)の後に「私を満足させなかった」(モウリーニョ)としてCLのメンバーから外され、ちょっとした騒動となった。
そんな選手をマラガ戦で起用したことは、モウリーニョがペドロ・レオンだけでなく、他の選手たちにも明確なメッセージを発したことを意味している。――私の言うことを聞かなければ、試合のメンバーに入れない。だが、私の言うことを聞けば、常にチャンスはある。
ロナウドやディマリアは、自らのプレーを変化させていくのか、それとも何も変わらないのか。そして、モウリーニョによる“強権発動”は再び起こるのか。
一見するとモウリーニョ率いるレアルは順調に歩んでいるかのように見える。だが、些細なことですべてがネガティブに転じる危険性とモウリーニョは戦っているのだ。