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今年の宝塚記念は海外も大注目!
充実のジェンティル、凱旋門への射程。
text by
片山良三Ryozo Katayama
photograph byREUTERS/AFLO
posted2013/06/22 08:01
前走のドバイシーマクラシックでは惜しくも2着に敗れ、連勝が5でストップしたジェンティルドンナ。今回の宝塚記念には唯一の牝馬として参戦、10月6日の凱旋門賞に向けその実力を示す。
大手ブックメーカーは日本の競馬も過不足なく評価。
ウィリアムヒル社は4番人気に11倍でジェンティルドンナを売り出しており、これは19日にプリンスオブウェールズS(英国・アスコット競馬場、芝10ハロン、G1)を制したばかりのアルカジーム(Al Kazeen)、今年のフランスオークス馬トレヴ(Treve)と同等の高評価だ。ちなみに、キズナは15倍で8番人気。全体に高配当と感じるのは、不出走となっても返還はしないシステムだからなのだが、情報が細かいところまで行き届き、日本の競馬も過不足なく評価されていることに驚く。
ゴールドシップ、フェノーメノが凱旋門賞に登録していたとしたら、ブックメーカーはどんなオッズで評価したのかとも思うわけだが、そのあたりは抜かりなく今回の結果も含めて着々とデータを積み上げていっているのだろう。昨年の凱旋門賞2着のオルフェーヴルが物差しとなってジェンティルドンナが評価され、そのジェンティルが今度は物差し役をつとめる。スポーツは世界と戦ってこそ面白さが倍増する。これはサッカーも競馬も同じだ。
ジェンティルには、日本代表として凱旋門賞に!
筆者の本命はジェンティルドンナだ。「ここで負けているようでは凱旋門賞だなんて言ってる場合じゃない」と、まなじりを決して語ったのは石坂正調教師。オルフェーヴルがやめたからこう言っているのではなく、オルフェーヴルと戦う前提でそれ以前からキッパリとした口調で1着にこだわってきているのだ。
競馬週刊誌のフォトパドックには、毛艶がギラギラに輝いた馬体が掲載されているが、これは「張り切ってシャンプーを多めにつけて磨いたせい。ジャパンカップのときの写真と比較されて、逆に恥ずかしくなるよね」と、担当の日迫調教助手だ。この写真を根拠として状態のよさを語るのは正しくないようだが、それにしてもここまでの調教過程は非の打ち所がない。フェノーメノの充実ぶりと、雪辱に燃えるゴールドシップはもちろん難敵だが、日本代表として凱旋門賞に行ってほしいという願いも込めて、単勝と3連単を握りしめて応援するつもりだ。