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今年の宝塚記念は海外も大注目!
充実のジェンティル、凱旋門への射程。 

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片山良三

片山良三Ryozo Katayama

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photograph byREUTERS/AFLO

posted2013/06/22 08:01

今年の宝塚記念は海外も大注目!充実のジェンティル、凱旋門への射程。<Number Web> photograph by REUTERS/AFLO

前走のドバイシーマクラシックでは惜しくも2着に敗れ、連勝が5でストップしたジェンティルドンナ。今回の宝塚記念には唯一の牝馬として参戦、10月6日の凱旋門賞に向けその実力を示す。

 ファン投票で出走馬が決まる、夏のグランプリ「宝塚記念」。

 同様のシステムで行なわれる暮れの有馬記念ほどには盛り上がらない傾向が残っているのは、いわゆる超一流馬がこの時期は早々に牧場に帰って夏休みに入ってしまうことが多かったからだ。

 秋に控えるビッグレース、天皇賞(秋)、ジャパンカップ、有馬記念の日程から逆算すると、「ここは休ませておかないと」と考えるのも道理。レースでいいパフォーマンスを発揮する馬というのは、それだけ一生懸命に走っている馬が多く、月に2戦ずつみたいなローテーションは組もうにも組めない。超一流馬イコール常に全力投球をしてしまう馬とも言い換えられるわけで、その結果、どうしたって疲労も残る。現場の人たちにはそれがよくわかるので、健気に走ってくれる馬たちに対して、暑い時期に集合をかけるというのがそもそも無理なのではないかという意見も根強いのだ。

 しかし、今年は様相が違った。

 ファン投票1位のオルフェーヴルから、2位ゴールドシップ、3位ジェンティルドンナ、4位フェノーメノまで夢の顔ぶれがズラリと揃い、1週前の時点で「現役最強の座を懸けての四強対決!」という煽りがスポーツ新聞の紙面に躍った。

 残念ながら1位のオルフェーヴルにアクシデントが発生(追い切り後に軽度の肺出血が判明)して回避を余儀なくされてしまったが、それでも「三強」は無事に残った。レベルの高い馬が集まると、戦う前から下克上を諦めて格下の出走馬が減る流れになるのだが、今回もその形になって出走馬は11頭。馬券的な妙味は不足してしまったかもしれないが、実力馬が各々不利のない競馬ができる舞台が整ったことを喜びたい。

この宝塚記念を注目しているのは日本のファンだけではない。

 今回、なぜ宝塚記念にトップメンバーが集結したかというと、この秋いわゆる「四強」が海外を含めてそれぞれの道を進む可能性が見えてきたため、ここで一回決着をつけておこうかという陣営の思惑が一致した結果のようだ。つまりそれだけ各陣営が本気なわけで、オルフェーヴル不在は返す返すも残念ではあるのだが、見応えたっぷりの上半期総決算の戦いが期待できるのは間違いのないところだ。

 この宝塚記念を注目しているのは日本のファンだけではない。

 早い時期から今年の凱旋門賞(10月6日、フランス、ロンシャン競馬場、芝2400m、GI)の有力候補と認められているオルフェーヴルは、大手のブックメーカー(私設の賭け屋。ただし政府公認)も軒並み単独での1番人気(なんと、半年も前から発売しているのだ!)の設定。これが、宝塚記念を回避というニュースが出た翌日には、今年のフランスダービー馬アンテロ(Intello)、同じく英国ダービー馬のルーラーオブザワールド(Ruler Of The World)と並んでの7倍という評価(ウィリアムヒル社)に変更されていたのだ。無事に来ていたときは6倍だったので、それだけ馬券投資のリスクは増したという判断なのだろう。

【次ページ】 大手ブックメーカーは日本の競馬も過不足なく評価。

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