日本球界はアメリカよりもアジアの発展に注力すべき!?

「今回の米国での開幕戦開催は加藤コミッショナーの悲願。アメリカ大使を務め、現地に日米の友人も多く、アメリカ第一の人らしい発想です」

　こう語っていたのはある球界関係者だった。

「ただでさえ今は選手のメジャーへの流出と日本球界の空洞化に歯止めがかからないのが現実。このままいったら将来的には日本のプロ野球を含めたアジアの野球が、MLBの一下部組織となってしまう可能性も十分にあります。それに対抗するにはコミッショナーがMLBと友好的な関係の中でも、どう渡り合っていくかが重要なポイント。そのためには日本はアジアで韓国、台湾と連携して、どうリーダーシップをとっていくかが大事になります。そう考えたら、むしろアメリカではなく韓国や台湾で開幕戦を開催したり、公式戦を模索する方が将来に結びつく戦略的意義は大きいはずです」

　しかし、そんなアジアでは80周年の記念イベントとしては“見栄え”がしない、やはり相応しいのはアメリカしかない、というのが加藤コミッショナーの考えなのだろうか……。

　もちろんMLBとの友好的関係を抜きにして、日本のプロ野球の発展はない。ただ、したたかなMLBを相手に「あなただけよ」と“純愛ドラマ”を貫いたところで、最後は冷たく捨てられるのが落ちである。

　日本球界はコミッショナーを先頭にもっとしたたかで、計算高い“強い女”にならなければならないのである。