ロングトレイル奮踏記BACK NUMBER
5月の雪と初めてのヒッチハイク……。
「まさか」の連続と出会っていく。
text by
井手裕介Yusuke Ide
photograph byYusuke Ide
posted2013/05/29 17:00
5月のカリフォルニアで「まさか」の雪に見舞われた!
地元でブイブイ言わせる若者とのキャンプファイヤー。
アイダイルワイルドでは、キャンプ場に泊まることとした。1泊3ドル。僕は水道で衣類の洗濯を済ませ、テントに吊るして市街へ向かう。
郵便局で荷物を受け取った後、ここから次の町へ補給物資を送るには、郵便局の営業時間上、月曜日まで待たなくてはならないと知る。下調べが甘かったことを反省しつつ、ハイカーに勧められたバーガーショップへ向かった。
Wi-Fiが繋がり、GOKUさんからのメールに気づく。TOYOさんと一緒に、この町に着いたという。彼らはどちらにせよ日曜日をまるきり歩かない日(ゼロデイと呼ぶらしい)にする予定だというので、一緒にキャンプしながら、オフを愉しむことにした。
夜、地元でブイブイ言わせている若い連中とのキャンプファイヤーは、最高だった。GOKUさんもTOYOさんも「疲れているから」と先にテントに帰ってしまったが、僕は彼らのもてなしを無下には出来ず、最後まで付き合った。
沢山の種類の煙が、透き通った夜空に吸い込まれていった。
僕たちが好きなアメリカと、アメリカ人が好きなアメリカ。
日曜日は、日がなのんびりと過ごした。
ネットカフェに行ったり、現地のクライミングショップを覗いてみたり、あるいはスリフトストアという、リサイクルショップのようなお店で耳付のジーンズを見つけ、店主と古着の話をしたり。
地元出身のスティーブン・ストラスバーグのユニフォームが風になびき、サム・クックやナット・キング・コールの歌声が流れ、ポスターの中のエルヴィスがこちらに白い歯を見せて笑っている。僕たちが好きなアメリカと、アメリカ人が好きなそれは案外多くは違わないのかもしれないな、と思う。
それにしても、アメリカでは星条旗を沢山見る。人によって掲げられた旗が意味するものは違うのかもしれないが、こうも堂々と誇らしげに国旗を掲げられることは、素直に羨ましい。