ブンデスリーガ蹴球白書BACK NUMBER
ラウール、ロッベンが説く、
急成長するブンデスリーガの魅力。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byGetty Images
posted2010/08/16 10:30
シャルケと2年契約を交わしたラウール。プレシーズンマッチで得点を挙げるなど、新天地での活躍をファンに印象づけた
ブンデスではバイエルン以外のチームも急成長中!
確かに、バイエルンはブンデスリーガを代表するクラブであり、CLでもタイトル争いに絡む実力をつけ始めている。しかし、過去10シーズンに限れば1度しかリーグで連覇を果たしていない。
バイエルン以外のクラブのレベルが上がっていると考えるのは、ファンニステルローイだ。
「これまで、スター選手がいるのはバイエルンだけだった。でも、今ではいろんなクラブにスター選手が来るようになった。バラックがレバークーゼンに復帰して、ラウールがシャルケに移籍したようにね。この流れはこれからも続いていくだろう」
34歳になるオランダ人ストライカーは、さらにブンデスリーガの魅力を説く。
「ドイツではあらゆる面でファンとの距離が近いんだ。スペインやイングランドではそうもいかない。この環境も、選手にとっては魅力的なんだ」
一方、バラックを獲得したレバークーゼンのフェラーSDは、こんな風に語る。
「バラックの獲得は、ブンデスリーガに実に大きな影響力をもたらすことになるだろう。ずいぶんと長い間、ドイツは冴えない時間を過ごしていた。しかし、ドイツのクラブはヨーロッパでの影響力を取り戻しつつある。目立たないかもしれないが、イタリアのパレルモでプレーしていた(デンマーク代表の)CBキアルがヴォルフスブルクを選んだことからもそれがわかるんだよ」
W杯の遺産を有効活用し、国内リーグの活性化は進んだ。
2006年にW杯を開催するためにドイツ各地のスタジアムが整備され、ブンデスリーガは世界で最も多くのファンを集めるようになった。
多くのファンが集まるからこそ、国外の選手たちがドイツでプレーすることを望むようになった。
国外からスター選手がやってくることで、リーグのレベルは上がり、ファンがスタジアムや練習場に足を運ぶ。正のスパイラルとも言うべき循環がドイツには渦巻いているようだ。