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「若手には負けられない」
金子誠の渋い輝き。
~猛追日本ハムの原動力~
text by
永谷脩Osamu Nagatani
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2010/08/11 06:00
プロ入り16年目の昨シーズン、自身初の打率3割と、'97年以来の2桁本塁打をマークした
日本ハムのイブシ銀・金子誠の存在感が如実に出たのは、昨年の巨人との日本シリーズである。金子の欠場によりチームの勢いが衰え、日ハムは敗れたのだ。「やっぱり、いるべき人がいないと落ち着かない」と二遊間を組む田中賢介も敗因の一つにあげていた。
今年も、開幕早々に左脇腹を痛め登録を抹消されるとチームも失速。復帰した時には、首位から10.5ゲーム差のダントツの最下位に沈んでいたのだ。
しかし金子の復帰で勢いを取り戻した日ハムは、最大14もあった借金をたった3カ月で返済。「地味だけれど存在感があるねェ」と福良淳一ヘッドコーチも目を細め、ダルビッシュ有も「打たれたと思って、後ろを振り向くと金子さんがちゃんと捕って併殺にしてくれるので、リズムに乗っていける」と話してくれた。