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香川、内田、長谷部――。
日本人ブンデスリーガーの前評判。 

text by

ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2010/08/02 10:30

香川、内田、長谷部――。日本人ブンデスリーガーの前評判。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

ドイツのスポーツ誌は内田をどう評価したか?

 内田は、入団会見のあとに行なわれた練習試合にいきなり出場すると、それ以降も主力組としてプレーを続けていた。すべりだしは順調に見えたが、キャンプ中に風邪をひいてしまい、21日から5日連続で行なわれた練習試合には欠場してしまった。

 とはいえ、「スポーツビルト」誌は開幕スタメンに内田の名前を挙げ、「キッカー」誌もマガト理想のフォーメーションの中に内田を推している。すでに練習には復帰しており、アピールを続けていければ再び主力組の座につくことも可能だろう。

 内田の入団会見の席で、マガト監督が口にしたのが長谷部の名前だった。

「ハセベはヴォルフスブルクで成長し、日本代表のキャプテンにもなった。ウチダが、ここでもハセベと同じようなことを成し遂げてくれることを願っている」

長谷部は自ら望むボランチで激しい競争に挑む。

 その長谷部が所属するヴォルフスブルクは、チャンピオンとして迎えた昨季、期待を裏切り8位に終わった。今季は、オランダのトゥエンテを優勝に導いたマクラーレンを監督に迎え、新たなスタートを切る。これに伴い、フォーメーションも中盤をダイヤモンド型にした4-4-2から4-2-3-1へ。これまでは右MFを務めることの多かった長谷部も、今季はダブルボランチの一角でプレーすることになりそうだ。ヴォルフスブルクは現時点で、リーグトップとなる30億円近い補強費を投じているため、長谷部にはライバルも多い。ブラジル代表のジョズエ、新加入のシセロ、昨季までは主に右SBとしてプレーしていたリーターも、このポジションでプレーする可能性がある。さらにバイエルンに所属するウクライナ代表のティモシュクの獲得も噂されている。だが、長谷部は、厳しい競争を覚悟しつつ、ボランチでのプレーを心待ちにしている。

「厳しいといえば、厳しい戦いになる。ただ、ボランチは自分のやりたいポジションでもあるし、(マクラーレンの目指すサッカーを)つきつめていったら面白いサッカーになりそうだよ」

 W杯で決勝トーナメントに進出した日本代表でキャプテンを務めたことで、長谷部の株も上がっているようだ。長谷部が今季はじめての実戦を終えると、ヴォルフスブルクを追いかけている記者だけなく、練習試合の対戦相手の取材に来ていた記者までもが、「ハセベが試合後にどんな話をしていたのか教えてくれ」と寄ってきた。カメラマンからは「ボクが撮ったハセベの写真を日本の雑誌で使ってもらえないだろうか?」という売り込みも受けた。

【次ページ】 第3節には早くも香川vs.長谷部の対戦が実現?

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