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香川、内田、長谷部――。
日本人ブンデスリーガーの前評判。 

text by

ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2010/08/02 10:30

香川、内田、長谷部――。日本人ブンデスリーガーの前評判。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

 南アフリカW杯でのドイツ代表が記憶に新しいが、8月20日の開幕にむけてブンデスリーガの各チームが調整のペースを上げている。今季からドイツの1部でプレーする日本人選手は3人になった。現時点で、最も注目を集め、充実したプレシーズンを送っているのはドルトムントに加わった香川真司だろう。

「アジアのロシツキー」「神童」など、地元メディアは美辞麗句を並べて21歳の新加入選手を紹介している。すでに「キッカー」誌や「ビルト」紙がインタビューを行なうなど、日本からやってきた選手としては異例の扱いだ。

 '01-'02シーズンに、ブンデスリーガで優勝、UEFAカップで準優勝(このときの優勝は小野伸二のいたフェイエノールト)を果たしたのを最後に低迷していたドルトムントは、2008年にクロップ監督を迎え、若返りを図ってきた。レギュラーには香川と同じ21歳の選手が4人、22歳の選手が2人も名を連ねている。昨季は5位に入り、ヨーロッパリーグ本選出場をかけたプレーオフの出場権を得た。

1試合ごとに進歩を続けるドルトムントの香川。

 7月15日からオーストリアで始まったキャンプでの練習試合で、香川は4-2-3-1の両サイドのMFとして起用されていた。「サイドに張るだけではなくて、中にも入って絡んでいきたい」と反省を口にすると、次の試合では中央に入っていき、トップ下やFWの選手と細かいパスを交換して、攻撃に絡む。「どこかで縦パスを入れていかないと攻撃に怖さが出てこない」と語った後の試合では、相手DFラインの裏に積極的に飛び出してパスを受け、チャンスを作り出す。1試合ごとに、進歩の跡がうかがえた。

 7月28日のディナモ・ドレスデン戦では、トップ下で先発。ドルトムントに来てからトップ下でプレーしたのは初めてだったが、カウンターからのクロスを完璧に頭でとらえてゴールを決めてみせた。「何だかんだ言っても、結果を残していったらボールも集まると思う」との言葉通り、目に見える結果を残し、チームメイトからの信頼を得つつある。クロップ監督も「将来はチームに欠かせない選手になる」と、香川の成長を確信しているようだ。

ラウール、メツェルダー……内田の豪華な“同期”たち。

 そんな香川の所属するドルトムントの最大のライバル、シャルケに加わったのが、内田篤人だ。昨季からシャルケの指揮をとるのは、ヴォルフスブルクを初優勝に導いたマガト監督。就任初年度で2位に入り、今季のチャンピオンズリーグ出場権を手にした。今オフは積極的な補強を行ない、レアル・マドリーからはラウールとメツェルダーが加入するなど、話題を集めている。

 ただし、その中で入団会見の機会が与えられる選手はごくわずか。内田の記者会見が開かれたことは、クラブの期待の表れだろう。マガト監督は、内田の攻撃的なプレーを評価している。
「ウチダは技術がしっかりしており、規律もある。そして、しっかり走れる選手だ。前に出ていくプレーに優れており、相手にとって危険な存在となるだろう」

【次ページ】 ドイツのスポーツ誌は内田をどう評価したか?

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