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期待外れの前王者マンチェスターC。
それでもマンチーニ続投を推す理由。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2013/04/25 10:30

期待外れの前王者マンチェスターC。それでもマンチーニ続投を推す理由。<Number Web> photograph by Getty Images

4月8日のオールド・トラッフォードでのマンチェスターダービーの試合前にマンUのファーガソン監督(手前)と握手を交わすマンチーニ監督。

王座奪回への執念を力に変えることができるか?

「勝たなければ気が済まない」と認めているマンチーニは、選手たちが昨季リーグ優勝の余韻に浸ることがないように、チームの尻を叩き続けた。序盤戦で、3バック採用が裏目に出た試合後に、「戦術変更に対応できなくて、何がトップクラスの選手だ」と語り、不慣れなオプションに対する不満が漏れ始めていたチームから、言い訳の材料を奪ったのも、その一例だ。

 もっとも、3バック制に関しては、やや無理強いした感がある。だが、監督の采配ミスは、大御所のファーガソンにさえあることだ。昨季のマンUは、昨年4月末のダービーに敗れて、マンCに自力逆転優勝への望みを与えた。敗因は、勝つことではなく、負けないことを主眼にファーガソンが採用した、消極的なアプローチだった。

 そのファーガソン一行は、昨季の無念を、プレミア王座奪回への執念に変えた。そして、同様の奮起を期待できそうな気配が、マンUとチェルシーに連勝したマンチーニのマンCからは漂っている。いずれの試合も、故障明けのアグエロによるゴールが決勝点となったが、マンC優位を可能にしたのは、中盤を仕切ったヤヤ・トゥーレだった。移籍3年目のセンターハーフは、マンU戦を前に4年間の契約延長が実現。舞台裏で締結に尽力したベギリスタインは、この夏の補強においても腕を振るうだろう。

マンチーニ続投の可否は、今季終了直後の米国遠征後に。

 指揮官にとっても心強いはずだが、生憎、経営陣が描く来季以降の青写真に、マンチーニが含まれているかどうかは怪しい。続投の可否は、今季終了直後の米国遠征後に決まる見通しだ。それまでには、就任3年半で、3つの主要タイトルを獲得し、3年連続でCL出場を果たした監督となっているだろう。ウィガンとのFAカップ決勝は、順当勝ちが予想される。

 万が一、FAカップ優勝を逃したとしても、「マンC時代」の土台を完成させる人物として、監督としては若い部類の48歳にして過去3年間での実績からファンの信頼も厚いマンチーニほどの適任者はいない。

 ジョゼ・モウリーニョの名前も挙っているが、モウリーニョのチーム作りは、マンチーニ以上にコスト高だ。意に反した補強に終われば、モウリーニョは去ることを好むだろう。昨夏も去らなかったマンチーニには、続投しかない。当人が会見で多用する文句を拝借すれば、筆者が今後1カ月で判断を下すマンC経営陣に言いたいことは、「それだけだ」。

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