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<ヨルダン戦PK失敗を超えて> 遠藤保仁 「次は必ず決める」 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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photograph byAtsushi Kondo

posted2013/04/11 06:00

<ヨルダン戦PK失敗を超えて> 遠藤保仁 「次は必ず決める」<Number Web> photograph by Atsushi Kondo

代表人気の浮き沈みを経験したから、勝ちにこだわる。

Yasuhito Endo
1980年1月28日、鹿児島県生まれ。'99年、U-20代表としてワールドユース選手権に出場、日本の準優勝に貢献。'02年11月にA代表デビュー。'06年独W杯メンバーに選ばれるも、試合出場はなし。'10年南アW杯では全4試合に先発。デンマーク戦では直接FKを決めてW杯初得点。代表キャップ127は歴代最多。178cm、75kg。

 遠藤は現代表メンバーの中で日本代表の浮き沈みを経験している唯一の主力である。ドイツW杯では1分け2敗でグループリーグを突破できずに終わった。国民の期待が高かった分、惨敗の衝撃は大きかった。

「ドイツW杯で負けた後、サッカー人気が落ちてスタジアムの空席が増えたし、代表のチケットも簡単に入手できるようになった。ある意味、この時期はドン底だった。でも、南アでベスト16に入って、また盛り上がった。その時、あらためて日本代表の影響力って、サッカー界にとっては、とてつもなく大きいんだなって実感した。やっぱり、1回ドン底を味わっているから余計に分かるんだと思う。その影響力を考えると、中途半端な気持ちで代表に行ったりできないし、たとえ格下相手の親善試合も絶対に勝たないといけないと思うようになる。そうして俺らが面白いサッカーをして勝っていけば、さらにサッカー人口が増えていくわけでしょ。それくらい俺らは影響力のあるところにいるってこと。

 その代表の重みを今の選手が理解しているかどうか、俺には分からない。でも、そういう影響力を考えてプレーすると、選手としてさらに成長できる。俺もドイツ以降、少しずつ分かってきたし、今は10年後のサッカーの未来を担っているという自負を持ってプレーしているからね」

「アジアの中で日本の強さは際立っている実感は最初からあった」

 代表の重みは、プレーをしていく上でひとつの大きなモチベーションとなる。南アフリカW杯以降、日本代表は右肩上がりで成長してきたが、複数の選手がその重みを共有できるようになったことも、強くなったひとつの要因に挙げられるかもしれない。今回のブラジルW杯最終予選を首位で独走することを、遠藤は想像できていたのだろうか。

「アジアの中で日本の強さは際立っているという実感は最初からあった。3次予選でウズベキスタンに負けたけど、そのショックを引きずることもなかったしね。多くの選手が海外でプレーして、チャンピオンズリーグといったレベルの高い世界を経験して、個の質を上げている。その成長ぶりを代表戦で出せるようになった。前よりもゲーム内で起こったことに対応する力はすごく高くなったし、戦術理解度も上がった。

 しかも、世界で勝ちたいと本気で思っている選手ばかりでしょ。去年の欧州遠征でフランスに勝った時も、昔だったら勝ってOKみたいなところがあったけど、今は内容がよくない、もっとこう出来たのに、とかそういう意識を持てるようになった。ブラジルにボコボコにやられても楽しいって言えるぐらいだからね(笑)。そのメンタルの強さも成長した部分だと思う」

【次ページ】 レギュラーの固定化を「難しい問題」と語る理由とは?

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