サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
ヨルダン戦で得た、手ごたえと悔しさ。
代表最年少、酒井高徳の長い1日。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byTakuya Sugiyama
posted2013/03/29 10:32
試合前、現代表で最年少の酒井は最年長、最多出場の遠藤と肩を組んだ。2歳年上の香川はマンUというビッグクラブでプレーし、代表でも確固たる地位を築いている。酒井はこれからどこまで成長できるだろうか。
「シュツットガルトでやっていることが代表につながる」
確かに、所属するクラブで試合に出たからと言って、日本代表での活躍が保証されるわけではない。しかし、試合に出ていないことには成長など望めない。今の酒井には成長するための十分なチャンスがある。
ヨルダン戦が終わってから24時間あまりがたとうとしているとき、シュツットガルトの熱烈なファンから「スーパースター!」と呼びかけられた酒井は、力を込めて、こう話した。
「シュツットガルトでやっていることが代表につながるわけで、自分が代表で(主力として)やれる確信を持つまで、やるだけだと思います。そのスタンスは変えるべきではないし、変えられない」
そう言い残すと、おそらく22年の人生で最も濃密な1日を過ごしたであろう酒井は、シュツットガルトのクラブハウスを後にした。
彼の長い1日は、ようやく終わろうとしていた。