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ヨルダン戦で得た、手ごたえと悔しさ。
代表最年少、酒井高徳の長い1日。 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2013/03/29 10:32

ヨルダン戦で得た、手ごたえと悔しさ。代表最年少、酒井高徳の長い1日。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

試合前、現代表で最年少の酒井は最年長、最多出場の遠藤と肩を組んだ。2歳年上の香川はマンUというビッグクラブでプレーし、代表でも確固たる地位を築いている。酒井はこれからどこまで成長できるだろうか。

「日本代表でずっとやっていたい……」

「日本の国旗もそうだし、今まで(年代別の代表で)やってきた仲間とずっと一緒にやりたいなと思ったし。A代表に呼んでもらって、そのときにすごい刺激を受けたし。佑都君(インテル・ミラノ所属の長友佑都)もそうだし、慎司さん(シュツットガルト所属の岡崎慎司)もそうだし、篤人君(シャルケ所属の内田篤人)もそうだけど、『海外で日本人がこれだけ出来るんだ!』というのを見せたいじゃないですか? それが、あぁ、代表になれば出来るんだって思ったし。そういうところからも、日本代表でずっとやっていたいし、やっていくことが非常に大事であり、必要なこと。あと、日の丸を背負っているというのは、けっこう試合前にゾゾゾって感じがするし。サッカーの部分でいえば、年代別(の代表で)は俺は世界への切符をとれなかったので非常に申し訳ないところもあるし、自分としてはやっぱり悔しいところが凄いあった。やっぱり、W杯もそうだし、'11年のアジアカップ(負傷のために辞退)もそうだし……」

 それぞれの選手の日本代表への想いを比較することなど出来ないが、酒井の日本代表への想いは非常に強い。

ブンデスにいる日本人選手の中で最も出場試合数が多い酒井

 ヨルダン戦でスタメン出場した11人のうち、酒井は22歳。最年少だ。彼には若さがある。歳をとることを避けられる者などいない。鈍感であるか敏感であるかで個人差があるとはいえ、歳をとればとるほど「ある1日」の重さが失われていくことは避けられない。

 酒井にとって、ヨルダン戦の行なわれた2013年の3月26日は、22年の人生の中での1日だ。この1日に味わった手ごたえも、衝撃も、悔しさも、年齢が上の他の先発選手よりも「重さ」を持っているに違いない。

 だからこそ、酒井は所属するシュツットガルトで自分を追い込んでいくつもりだ。幸いにも、そのための舞台は用意されている。

 シュツットガルトはブンデスリーガの中で、2012-13シーズンの公式戦を最も多くこなしているチームだ。そして、ブンデスリーガに所属する日本代表選手の中で所属チームで最も多くの試合に出場しているのが酒井だ(3月28日現在)。

 自らのレベルをあげるために、公式戦に出場する以上の舞台などないはずだ。

【次ページ】 「シュツットガルトでやっていることが代表につながる」

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