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<葛藤を経た21歳の現在地> 石川遼 「沈黙を破る」~米ツアー1年目の挑戦~ 

text by

柳川悠二

柳川悠二Yuji Yanagawa

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photograph byTaku Miyamoto

posted2013/03/23 08:02

<葛藤を経た21歳の現在地> 石川遼 「沈黙を破る」~米ツアー1年目の挑戦~<Number Web> photograph by Taku Miyamoto

マスターズで「結果を残すしかない」という覚悟。

 3月に入ってから、プエルトリコオープンで3日目にエース(ホールインワン)を決め、一時は8位にまで順位を上げた。最終日に崩れて39位に終わるも、4月11日に開幕する5度目のマスターズに向けて、かすかに射し込んだ光明ではあった。

 石川にとってマスターズは、唯一にして最大の目標でありながら、1年の成長をテストされる場という意識もまた強い。

 本来ならばマスターズの参加資格は、規定の期間内に世界ランキングの上位50名であることが条件だ。それに含まれない石川は'09年、'12年に続く特別招待枠で出場する。前例のない厚遇に、アメリカのメディアによる批判の声も届いていないはずがなかった。その話題を向けると、石川は、ほんの一瞬だけムッとした表情を見せた。

「今は成績が伴っていない僕が『実は内容はすごいんです』と説明しても説得力はない。結果がすべてではないと思っていますけど、厳しい声を覆すには結果を残すしかない」

 来季のシード権が獲れる見通しが立つまで、石川は日本のツアーに参戦しないことを決めている。

「それが今の自分の最大のモチベーション。僕だって日本のツアーに出たい。だけど、僕にはシード権を持つただひとりのプロゴルファーとして日本を代表してアメリカで戦っている意識があります。来季のシード権を手にすること、その手応えは少しずつ感じている。まずは優勝争いに加わることを目指し、そして優勝を目指せるゴルファーになりたい」

 インタビューの日、石川は様々な表情をみせ、声色には感情の起伏が表れていた。来季シード権を手にし、日本に凱旋した時、石川は沈黙を破り、生来の姿に戻るのかもしれない。

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