ペジェグリーニ自らが選手の契約交渉に乗り出した!!

　功労者は、ホアキンやイスコら選手の中にもいるけれど、一番はやはり監督ペジェグリーニだろう。

「ペジェグリーニの何が素晴らしかったかって、あの大変な8月にあって落ち着きを失わず、チームの解体を押し止めたことだ。選手の心理面に訴えかけ、皆を納得させた」

　前オーナーでマラガのOBでもあるフェルナンド・サンスが語るとおり、ペジェグリーニはまずデミチェリスらを説得して移籍を思い留まらせた。次に、サンタクルスやサビオラ、イトゥラの移籍交渉に自ら関わり、できる範囲でチーム強化を成し遂げた。

　他方、遅れている給料の支払いをクラブに約束させて選手を安心させた。おまけに選手を集めて「チームの成績がクラブを救う」と説き、一層の団結を促した。

　実際、今季のマラガは昨季以上の一体感を漂わせながら試合を戦っている。また、ペジェグリーニへの信頼が自分たちのスタイルへの信頼に繋がっているのか、恐れ知らずで愚直にゴールを目指す姿も印象的だ。

　12月にマドリーを破った一戦でも、1月にリーガと国王杯合わせて3度あったバルサとの対戦でも、マラガは相手との力の差を感じながら果敢に前に出て、ファンのプライドを刺激していた。

選手とサポーターの心を掴んだ、責任感ある監督の侠気。

　さらに選手とマラガの人たちの心を掴んだのが、地元紙ラ・オピニオン・デ・マラガが明らかにしたペジェグリーニの責任感である。

　開幕前、好条件のオファーをもらいながら給料を払ってもらえないマラガに留まることを選んだペジェグリーニが、昨年10月31日に一度辞任を考えたという。この日に払ってもらえると選手に約束した給料を、クラブが払ってくれなかったからだ。

「結果を出してくれていた選手たちに対して、わたしは大きな責任を感じていた。10月31日は絶対に守ってもらわねばならなかった」

　幸い、その後オーナー側と新たな約束を交わし、現在、給料遅配問題はほぼ解決していると、ペジェグリーニは続けてコメントしている。

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