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スペイン全土で“ペップショック”!!
バイエルン監督に電撃就任の激震。
text by
豊福晋Shin Toyofuku
photograph byAFLO
posted2013/01/18 11:25
FIFA最優秀監督賞の表彰会場にて(結局、受賞者はデルボスケ監督だったが)。「来季は再び監督業に戻る」と宣言したグアルディオラだが、この時点ではマンチェスター・シティが最有力視されていた。
1月16日、その日のバルセロナは国王杯準々決勝のマラガ戦を控えていた。
スポーツ新聞はいつものように紙面で試合のプレビューを行ない、地元テレビはメッシがこの試合でもゴールを決めるのかという番組を流していた。
何の変わりもない、いつものマッチデー。
そんな街の空気が一変したのは、午後に入ってからだ。
「グアルディオラがバイエルン・ミュンヘンの監督に就任」
バイエルンがHP上で発表したこのニュースは、街をある種の騒動に陥れた。軽いパニックだったと言ってもいいかもしれない。
新聞社のホームページやテレビは、緊急ニュース速報として大々的に前バルセロナ監督のバイエルン行きを報じた。スポルト紙は急遽ファンにアンケートを始め(「はたしてペップの決断は正しいのか」)、あらゆる新聞のデスクが翌日の紙面の一面差し替えの準備を始めた。バルセロニスタが愛するペップの就任が(唐突に)決まったことで、マラガ戦のことなど、まったく二の次になったのである。
スペイン中が驚いた、電撃就任にまつわる3つの要因とは?
グアルディオラの監督就任決定の翌日の紙面を見てみると、その騒動の大きさが分かる。
ムンドデポルティーボ紙は一面にペップの顔とバイエルンのエンブレムを載せ、『ペップがバイエルンに』と詳報。マラガ戦については一面の片隅に、申し訳程度に載っているくらいだ。
バルサ一筋のカタルーニャのメディアだけではない。レアル・マドリー寄りのマルカ紙までもが、一面にペップの顔を載せこの件を詳しく伝えている。彼のバイエルン入りが、いかにスペイン全土に反響を呼んだかが分かる。
そんな各メディアの報道は、大きく3つの点に集約されていた。
(1)ペップはクリスマス前にすでにバイエルンとの契約書にサインをしていたこと。
(2)プレミア各クラブの巨額オファーを断り、リーグのレベルとしてはリーガ、プレミアを大きく下回るブンデスリーガへ行く決意をしたということ。
(3)バルサでは単年契約しか結ばず、毎年ファンをやきもきさせていたペップが、3年契約を結んだこと。