「インパクトなし」と評された復帰2戦目だが……。

　33分、ヤングが追加点に迫ったシュートも、クロスを放ったアントニオ・バレンシアの進行方向に、やはりダイレクトで処理した香川のパスがきっかけとなっている。相手GKのファインセーブに阻まれることなく、前半で2点差となっていれば、ファンペルシ登場を待つまでもなく勝負がついていただろう。香川は、ファンペルシと交代するまでに、他に2度のシュートチャンスを演出していた。

　復帰2戦目は、中2日というインターバルの短さもあって、ベンチスタートとなった。試合は、ファンペルシとハビエル・エルナンデスの2トップの息も合い、マンUが、降格候補のウィガンを一方的に攻める展開となった。

　香川に出番が訪れたのは69分。「インパクトなし」とメディアで評される結果となったが、格下から既に3点のリードを奪っていた段階での出場だったのだから、指揮官の意図は「インパクト」ではなかったに違いない。故障明けのMFは、4-4-2システムの2列目中央に投入されると、20分ばかり“マッチ・フィットネス”を高めていった。

1月5日のフル出場では、期待のトップ下を再び任される。

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　そして訪れた、1月5日のフル出場。ポジションは、再びトップ下。

　但し、復帰初戦での4-4-1-1ではなく、ダイアモンド型の中盤で頂点を任された。

　ダイアモンドの研磨は、昨年10月後半に香川、12月後半にルーニーが負傷したことによって後半戦に持ち越されたが、ファンペルシとルーニーの2トップに背後から香川が絡む陣形は、リーグ優勝ライバルとの直接対決や、レアル・マドリーとの16強対決に始まるCL決勝トーナメントなど、フル戦力で臨むべき大一番での3名共存策として指揮官の意中にあるのだろう。

　期待のポジションを任された香川に対し、メディアは厳しかった。マンチェスター地元紙の採点でさえ、チーム内最低の10点満点中5点。全国紙では、『サンデー・タイムズ』に、両軍スタメン中最低の4点をつけられた。同紙は、WBA戦での香川にも5点をつけた「辛口」だが、『テレグラフ』紙でも、「4分間のロスタイムが4時間だったとしても、決定的な仕事ができたとは思えない」と叩かれた。

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