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ブンデスでトップクラスの数値が!?
後半戦、岡崎慎司が爆発する理由。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byRUETERS/AFLO
posted2013/01/01 08:01
今年最後の試合となったドイツカップ3回戦、対1FCケルンとの一戦に岡崎は右足の故障をおして出場し、76分までプレー。守備にも貢献し、シュートを打つなど見せ場を作ったが残念ながらノーゴール。チームは2-1で勝利した。
岡崎慎司の2012-13シーズンの「前半戦」が、ストライカーとして満足できるものだったかと聞かれれば、答えはノーになる。
リーグ戦では10試合で1ゴール、ヨーロッパリーグでは5試合で2ゴール、1アシスト、ドイツカップでは3試合で1ゴール。これが岡崎の残した数字だ。
しかし、シーズン「後半戦」に調子をあげていきそうな日本人選手は誰かと問われれば、その答えは岡崎慎司となる。
シュツットガルトは8月に始まったブンデスリーガの序盤戦では不振をきわめ、一時は最下位に沈んでいた。岡崎は左足の親指を骨折した9月、右ひざの靭帯を痛めた12月と2度、戦列を離れた。そんな状況にがありながら、岡崎は確かに上昇気流を描いているのだ。
12月19日、今年最後の試合となったドイツカップのケルン戦。右ひざの靭帯を痛めていた岡崎は痛み止めの注射を打っての強行出場を果たした。試合の前に右足でシュート練習をすることすらかなわない状態だった。何故、そこまで無理をして試合に出たのか。岡崎は理由をこう明かした。
「強行出場という感じでしたけど、監督がそこまで言ってくれるんやったら、俺もちょっと痛いくらいでもやりたかったんです。今いる選手じゃ満足できないから、無理してでも自分を使ってくれたと思いますから」
ラバディア監督が岡崎に期待するのはゴールへの嗅覚だ。
岡崎は今、ラバディア監督から高く評価されている。11月22日のヨーロッパリーグのステアウア・ブカレスト戦でドイツに来てから初めてとなる1試合2ゴールを記録すると、ラバディア監督は嬉しそうにこう話した。
「オカザキは代表の試合では毎試合のようにゴールを決めているんだろ? 今後はシュツットガルトのユニフォームの内側に日本代表のユニフォームを着てもらおうか」
岡崎はラバディア監督から耳にタコができるほど、こう言われている。
「あとはゴールを決めるだけ。ゴールを決められれば、オマエの努力は報われるのだ」
選手のパフォーマンスを示す指数「SPOBIX」とは?
その言葉を裏付けるような、こんなデータがある。『スポーツビルト』誌が採用している「SPOBIX」という試合における各選手の評価基準だ。以下の7項目にわけて、選手のパフォーマンスを数値化している。
・走行距離
・スプリント数
・最高走行速度
・ゴールorアシストで得点に直接絡んだ回数
・一対一の局面での勝率
・パス成功率
・チームの勝敗