前半戦のベストイレブン、まずGKとDFは……。

　最後に、前半戦のベストイレブンを上げてみよう。

　GKは、ストークのアスミル・ベゴビッチ。守備重視のチームではあるが、要所をセーブで締める守護神がいればこそ、失点数をリーグ最少レベルに抑え、週単位で顔ぶれが変わる中位勢の中でも、無風地帯に碇を下ろすことができている。

　4バックの左右は、攻守に効いていたエバートンのレイトン・ベインズと、攻撃過多のイメージを払拭したリバプールのグレン・ジョンソン。中央には、マティヤ・ナスタシッチとブラニスラフ・イバノビッチ。前者は、マンCで意外な新戦力となった。後者は、チェルシーで最も安定していたDF。前監督の下では右SBを務めたが、堅守志向の新監督の下では、ジョン・テリーの故障もあって、本職のCB起用が増えてきた。

スウォンジーのミチュは前半戦におけるプレミア最高の新戦力。

　中盤には、今やプレミア随一の「フィジカル」とも言うべき、マルアヌ・フェライニが欠かせない。エバートンでは、ターゲットマンとしてマンU戦勝利の立役者にもなった。3センターの両脇は、 マタとサンティ・カソルラ。 両テクニシャンは、それぞれチェルシーとアーセナルの2列目で、小柄な体から溢れんばかりの攻撃センスを発揮した。

　3トップのうち2名は、ファンペルシとルーニーのマンUコンビで文句なし。残る1名は、スウォンジーのミゲル・ミチュだ。移籍1年目のスペイン人MFは、新天地の前線で起用されると、クリスマス前の第18節まで、リーグトップの13ゴールを記録。その上、2億円台と安い移籍金は、得点王を争うファン・ペルシの10分の1以下。前半戦におけるプレミア最高の新戦力とも言うべきインパクトは、クラブのサポーターはもちろん、全国のプレミア・ファンも認めるところだ。

　そして、日本人のプレミア・ファンとしては、新年5月のシーズン終了時、ルーニーとのトップ下争いに勝利して、マンUのリーグ優勝に貢献したとして香川が、最終ラインのリーダーとして失点に歯止めを掛け、サウサンプトンの残留を可能にしたとして吉田麻也が、そして、足首の完治とアフリカ選手権によるアルナ・コネの離脱を機に、ウィガンの降格回避に勢いを与えたとして宮市亮が、後半戦ベストイレブンに名を連ねていることを願いたい。