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外国人選手獲得は今が絶好の時機!?
なでしこリーグ、群雄割拠化のススメ。
text by
河崎三行Sangyo Kawasaki
photograph byAsami Enomoto
posted2012/11/28 10:30
110分間に及んだリヨンとの死闘に1-2で敗れ、世界一を逃したINAC。試合後、星川監督は、「いつもと違うサイズ、スピードに戸惑った部分があった」と敗因を話した。
世界には日本のパスサッカーを学びたいという需要も。
特に外国人選手の獲得に関しては、まさに今が絶好のタイミングだと言える。
アメリカでは、瓦解した女子プロサッカーリーグWPSに替わって、来年から新リーグが発足することがつい先日発表された。しかしこのリーグは、WPSのリーグ機構や各チームが資金繰りで苦しんだ反省から、かなり質素な形で運営される模様だ。アメリカ、カナダ、メキシコの各サッカー協会が、リーグに所属する一部自国選手の給料を負担するようだが、それほど莫大な金額を支払うわけでもないだろう。
つまりアメリカやカナダの代表、あるいはそれに準ずるクラスの選手を獲得するために、かつてほどの出費は必要ないということだ。加えて'08年北京五輪での躍進以降、アメリカやカナダの側にも日本のパスサッカーを学びたいという選手が少なからずいるのである。リヨン戦で存在感を示したINACのゴーベル・ヤネズやベッキーは、その好例だ。
ましてや地理的に近く自国リーグがまだ成熟していないオーストラリア、あるいはそもそも全国リーグ自体が存在しないブラジルの選手なら(マルタのようなスター選手は無理だが)、北米選手よりさらに日本行きを望んでいるだろうし、よりリーズナブルに契約を結ぶことができる。
経営を圧迫することなく各クラブが優れた外国人選手を獲得し、なでしこリーグを群雄割拠化することは、決して不可能ではないように思えるのだが……。