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外国人選手獲得は今が絶好の時機!?
なでしこリーグ、群雄割拠化のススメ。 

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河崎三行

河崎三行Sangyo Kawasaki

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photograph byAsami Enomoto

posted2012/11/28 10:30

外国人選手獲得は今が絶好の時機!?なでしこリーグ、群雄割拠化のススメ。<Number Web> photograph by Asami Enomoto

110分間に及んだリヨンとの死闘に1-2で敗れ、世界一を逃したINAC。試合後、星川監督は、「いつもと違うサイズ、スピードに戸惑った部分があった」と敗因を話した。

強気な発言で鳴る星川監督が珍しく相手を素直に称賛。

「ハーフタイムの時から、選手には『受けに回ったら点を取られてしまうぞ』と言っていた。むしろ後半35分までよく持ったと思う。あのリヨンの圧力は、世界ナンバーワンの実力を感じました」

 いつもはモウリーニョ並みに強気な発言で鳴る星川監督が素直に相手を讃えるのは、本当に珍しい。しかも会見の最後には、

「日本の試合ではなかなか今日のような経験はできないので、我々がリヨン戦で得たものは大きい。勉強になったゲームでした」

 とまで口にしたのである。

 だがこれはリヨンや大会主催者に対する社交辞令などではなく、本心だと思う。

 リヨン戦でINACが見せた、華麗を通り越して凄みさえ感じさせるパス回しは、国内の試合ではついぞ披露したことのなかったものだ。豊富な資金力を背景に、選手層でも環境面でもなでしこリーグの中で頭ひとつどころか段違いに突出しているINACにとって、自分たちとがっぷり四つに組んで互角に渡り合える相手と戦う機会はめったにあるものではない。リヨンという世界一のクラブと対戦することで、INACの持てる力のすべてが引き出されたのだ。そしてだからこそ、国際レベルでの課題も浮き彫りになったというわけだ。

外国から監督や選手を招聘して、なでしこリーグのレベルアップを!

 と、ここまでの展開からすれば、「クラブレベルでの女子サッカーの発展、レベルアップのため、来年以降もIWCCを続けるべき」という結論に落ち着くのが普通かもしれない。

 しかしあの素晴らしい決勝戦を目の当たりにして僕が考えたのは、「国際大会だけで満足せず、なでしこリーグでも、真にコンペティティブな状況を作り出さなければならない」ということだった。

 現在の日本に、INACの好敵手と言えるチームは存在しない。今季なでしこリーグ2位となり、リーグカップを制した日テレ・ベレーザでさえ、標榜するサッカーの質、戦力ともに、INACには相当水をあけられている。リーグ勢力図のこうしたアンバランスさは、INACにとっても他チームにとっても歓迎すべきものではないのは明らかだろう。

 だとすれば、INACのような事実上のプロチームになることはすぐには無理だとしても、レベルの高い指導者や、日本人では望むべくもない身体能力を持った外国人選手を招聘して、他チームも大きくレベルアップしたいところだ。

 なでしこジャパンの女子W杯制覇以降、多くのチームに新規スポンサーがついた。工夫次第では、なでしこリーグを「毎週がIWCC」と呼べるレベルに近づけられるのではないか。

【次ページ】 世界には日本のパスサッカーを学びたいという需要も。

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