濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
ワールドワイドな闘いをネットで観戦。
“格闘技観戦世界一周旅行”のススメ。
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byGetty Images
posted2012/10/16 10:30
10月6日、シンガポールで行なわれた『ONE Fighting Championship~RISE OF KINGS~』(ONE FC)に出場した青木真也。フランスのアルナウド・ルポンと対戦し、1R85秒、三角絞めで一本勝ちと、圧倒的な実力をアジアのファンに見せつけた。
世界中で多様化する格闘技と、ファンの楽しみ方。
アジアンMMAの勃興から欧州トップファイターの打撃戦、さらにはアメリカの女子イベントまで。今回のように一晩に集中することは珍しいが、現在は世界中の格闘技イベントをネットを通じて見ることができる。
日本でもYouTubeの公式チャンネルで記者会見や試合の映像を配信する団体が増えた。立ち技イベントKrush(http://www.krush-gp.com/)は、10月21日の新宿大会をニコニコ生放送で無料中継する。
もちろん「これまでのように大物外国人も日本の会場で見たい」、「パソコンの画面で見ても」という不満を持つファンもいるだろう。有料中継の場合はクレジットカード決済などの登録も必要で、慣れない人には面倒かもしれない。実況は英語によるものだから、日本語版がほしいという人もいるはずだ。
それでも、今の格闘技ファンは様々な国で行なわれる様々なジャンルの試合を、見ようと思えばいくらでも見ることができる。映像のクオリティも相当なもの。“地上波時代”に比べ、多様性という面では今のほうが遥かに贅沢な環境と言っていい。
業界の内部だけでなく、ファンの楽しみ方も含めて、格闘技界は世界レベルの新時代に突入しているのだ。