濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
ワールドワイドな闘いをネットで観戦。
“格闘技観戦世界一周旅行”のススメ。
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byGetty Images
posted2012/10/16 10:30
10月6日、シンガポールで行なわれた『ONE Fighting Championship~RISE OF KINGS~』(ONE FC)に出場した青木真也。フランスのアルナウド・ルポンと対戦し、1R85秒、三角絞めで一本勝ちと、圧倒的な実力をアジアのファンに見せつけた。
10月6日から7日にかけて、4つの大会を立て続けに見た。
世界中で格闘技の興行が開催され、それをインターネット中継で観戦したのだ。いわば格闘技世界一周旅行だ。
6日夜、まずは日本。
パンクラスの新宿FACE大会を取材する。帰宅すると『ONE FC』シンガポール大会が始まっていた。公式サイト(http://www.onefc.com/)から視聴できる有料ストリーミング中継の料金は9.99ドル。メインイベントは青木真也vs.アルナウド・ルポンである。現在、青木は現地のジムEVOLVE MMAに所属し、『ONE FC』と契約、今回がその第1戦だった。
経済拠点のシンガポールで盛り上がる“アジアンMMA”。
三角絞めで鮮やかな一本勝ちを収めると、青木はライト級タイトル挑戦をアピールした。チャンピオンは、同じ大会で王座決定戦に勝った朴光哲。山本“KID”徳郁率いるKRAZY BEEの選手だ。朴は青木と同門のブラジル人ゾロバベル“ゾロ”モレイラをKOしてベルトを巻いているから、その敵討ちというわけだ。
経済的に急成長を遂げているシンガポールの大会だけに、『ONE FC』には様々な国の選手が参戦する。
欧州や北米、ブラジルからビッグネームがやってくるし、EVOLVE MMAは青木やゾロのように外国人の所属選手、インストラクター兼ファイターも多い。そのことで、青木と朴が、つまり“日本から来た”選手同士が“ブラジル人のリベンジ”をかけてシンガポールで闘うかもしれないというシチュエーションも生まれる。
北米でも日本でもない“アジアンMMA”ならではの光景だ。
『ONE FC』が終わると、日付が変わって日本時間の深夜2時からはベルギー・ブリュッセルでの『グローリー』(http://www.gloryworldseries.com/en)だ。