欧州サムライ戦記BACK NUMBER
CLで2失点に絡んだ内田篤人は、
“負のイメージ”を払拭できるのか?
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byREUTERS/AFLO
posted2012/10/04 12:35
自身、今季CL開幕戦となった、ホームのモンペリエ戦。コンディションの良さが目立ち、攻守に優れたプレーを見せた内田だったが、チームの2失点に絡む展開となり、DFとしては後味の悪い試合となった。
ステフェンス監督はこの日の内田をどう評価するのか?
例えば、この試合を中継した放送局のSKYでは、モンペリエの1点目のシーンについて、こう説明している。
「内田は、あまりに簡単にシュートを許した」
一方で、ハーフタイムにはチームメイトたちは内田にねぎらいの言葉をかけている。
「『しょうがねぇ、しょうがねえ』みたいに、すげぇ言われた。オレ、(最初の失点のときに)そんなに落ち込んでいる風に見えたのかな? 『あれは、相手が上手い』って言われてね。でも、ああいうのは止めていかないと、と個人的には思っていたけど」
大事なところで相手の攻撃を止められない。そういうイメージを持たれてしまえば、それを塗り替えることは簡単ではない。この試合を、この日の内田のプレーを、ステフェンス監督は果たして、どう評価するのだろうか。
内田はこれから、強い選手であることを、体を張れる選手であることを、練習で、チャンスを与えられた試合で、証明していくしかない。
「そうそうそう。また、やり直しですよ」
試合後に、内田は短く答えた。
勝てる試合を落としたシャルケにとっては、悔しさが残ることとなった。良いプレーを見せているのに、失点に絡む形になった内田にとってもそれは同じ。
救いとなるのは、グループステージはまだ4試合も残っているということ。自らの力で、状況を変えていけるチャンスがあるのだから。