欧州サムライ戦記BACK NUMBER
CLで2失点に絡んだ内田篤人は、
“負のイメージ”を払拭できるのか?
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byREUTERS/AFLO
posted2012/10/04 12:35
自身、今季CL開幕戦となった、ホームのモンペリエ戦。コンディションの良さが目立ち、攻守に優れたプレーを見せた内田だったが、チームの2失点に絡む展開となり、DFとしては後味の悪い試合となった。
イメージは怖い。数字など、目に見えるもので表すことが出来ない。
だから、イメージは丁寧に作り上げていかないといけないし、一度、悪いイメージが付いてしまったら、それを変えるには時間がかかるし、難しい。
この日(10月3日)は内田篤人にとって、待ちに待った、2度目のチャンピオンズリーグの開幕だった。
チームの初戦、9月18日にギリシャで行なわれたオリンピアコス戦(2-1でシャルケが勝利)では、扁桃炎の影響もあり、ベンチで90分を過ごしている。
さらに、5日前のブンデスリーガのフォルトナ・デュッセルドルフとのアウェイゲームでも、試合当日に戦術的な理由からベンチで90分間を過ごしていた。だが、内田はこうも考えていた。
「もちろん、全部試合に出られればそれでいいけど、日程を見るとたくさん試合があるからね。監督も言っていたからね、ローテーションじゃないけど、そうなることを。だから、試合に出られないなら出られないで、しっかり休んでおく。そして、出られるときに100%やれればいいやっていうことだよね」
1失点目の後、珍しくピッチに突っ伏して悔しがった内田。
実際、コンディションは100%に近い状態で、フランス王者モンペリエをホームに迎えた。
前半13分のことだった。モンペリエの攻撃、中央でサイヒがボールを受ける。シャルケのノイシュタッターが当たりにいくがかわされた。このとき、相手の左サイドにはアイファナが張っていた。
対面する右サイドバックの内田はアイファナを見つつ、サイヒが中央をドリブル突破してきた場合に備えていた。
しかし、センターバックのヘベデスがドリブル突破に対応したため、再びアイファナへ意識を向ける。パスがアイファナに入った。内田はすぐに飛び込まず、腰を落として次のプレーに備える。ペナルティエリアにさしかかるところで、パスを受けたアイファナは右足でシュートの打てるところにボールを止めると、思い切りよく右足を振りぬいた。これがゴール右隅につきささり、アウェイのモンペリエが先制した。
「ちょっと考えちゃったね。(マークが)ずれて、ずれて、きたから。俺のマークにパスが出たら、シュートを打つかな? 打たないよね? みたいな」とは試合後の内田の弁である。
マークに付いた内田は、珍しくピッチに突っ伏して、悔しがっていた。